第38話 珍味という謎のカテゴリー
ジャパリアン先生の思惑で見事にバラけた3人ではあったが、そのキャラクターゆえか…各々が班のイニシアチブを握っていた。
自然と収まるべき所にストンッと座れるキャラなのだ。
ナツコ班
「お湯に塩入れるの~? なんで~? あっ‼ お湯を塩味にするってこと~? じゃあ、あんな一つまみで味つくわけないじゃな~い」
ドボンッ‼
1㎏袋でブチ込んだ。
「白くなった~‼ アハハハ」
「えっ、パスタって折るの? いいよクルクルッて巻くのが楽しいのよ~」
一袋バチャッと放り込んだ。
「ソース? 何パスタにするかって~? そうね~コレでいいわ~」
ジャパリアンがサンプル的に置いておいたレトルトをパスタを茹でている鍋に放り込んだ。
他人の話を一切聞かないナツコ。
パスタが茹で上がるより早くジャパリアンから退室を命じられた。
「なによ~‼ まだ食べてないわよ~‼ 感じ悪~い‼」
コトネ班
「知ってっか? 塩って意味ないらしいぜ」
一切、料理なんざする気もねぇコトネ、料理用ワインをチビチビ飲んでいる。
ツマミはベーコン、もちろんジャパリアンが用意したものだが、お構いなしに勝手にオリーブで炒めてカリカリに仕上げ、料理用ワインを1本空けてしまった。
隣の班のワインを開け、2本目突入である。
「貸してみ」
茹で上がったパスタをトマトソースとベーコンで包んで炒めてツマミ作りに一生懸命である。
そもそも酒が飲めれば何でもいいコトネ。
程よく酔っ払いながらトイレに行ったまま帰ってこなかった。
ナミ班
「絶対、このほうが美味しくなると思う」
「えっ? そんな切り方?」
「マカロニサラダ作ろうかな?」
ジャパリアンの言う事なんざ聞く気もねぇナミ。
習いたいのはピザであってパスタではない。
更に、思いのほか初心者コースだったので、習う気も失せていた。
「先生、その帽子どこで売ってますか? ちょっと貸してみて……アレッ? なんかガバガバ、先生、顔が大きいんですね」
失礼とか気にしないナミ。
色んな意味で退室を命じられた。
「ピザの時は来ていいですか? ダメなんですか?」
「あっ、ナミ~終わったの~?」
「ナツコ、コトネは?」
「なんかトイレに行ったきり~戻らな~い」
「追い出されちゃった…」
「えっ、ワタシも~、感じ悪いわよね~」
「なんかねピザの時も来ちゃダメだって」
「いいよ~もう、こんな感じ悪い教室、もう来なくていいわよ~」
「うん…でもピザ習いたかったの私」
「せっかくクルクル練習したのにね~」
トイレで寝ていたコトネを回収して、店に戻って3人でピザを頼んで食べました。
「作るより買ったほうが美味いってことだな」
「そうよ~ナミ、ピザなんて面倒くさいわよ~、客が食べたいって言ったら~頼んであげればいいじゃな~い」
「……カフェから? 宅配ピザを?」
それだけはプライドが許さないナミであった。
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