【2周目を連載中・1周目は電子書籍化】異能者が普通にいる世界へ転生したら死亡フラグだらけの件 ~原作知識よりもハーレムで対抗した結果~
第149話 エンディングNo. ×3「ずっと一緒だよ?」(後編)
第149話 エンディングNo. ×3「ずっと一緒だよ?」(後編)
「うわ……。
途中から困ったような声になった
4~5人ぐらいで一点を囲み、地面に座り込んでいた女子グループが、凪の声かけで一斉に振り向く。
その中心には、
彼らは肌色が目立ち、周囲には制服や下着が散らかっている。
文字通りに精も根も尽き果てた航基は、色々な意味で立ち上がれない。
ただ、与えられる刺激に
「真夏は、まだキノコ狩りには早いよねー? あ、また……。ごめんごめん、澪ちゃん。泣かないで!」
航基の腰の辺りに
「だから、ごめんって! 澪ちゃんも、早く
凪が取り出したのは、大きな
その体をくねらせている様子に、澪はヒッと声を漏らした。
本能的に少しでも遠ざかろうとするが、全く動かない。
「や、やめて…………」
勝ち気だった澪に、抵抗する気概は全く感じられない。
「はい、あーん♪」
澪は近づけられた芋虫を拒むが、顔を固定されたうえに凪が鼻をつまんだ。
「ま、せいぜい120秒かな?」
鼻歌をしながら凪が待っていると、酸素不足で顔を真っ赤にした澪が、ぷはあっと口を開ける。
その瞬間を見逃さず、スルスルと入っていく芋虫。
「むっ! ううううん! んんん!!」
絶望的な目で、涙を流しながら吐き出そうとする澪だが、今度は口を閉じたまま固定された。
やがて、彼女はぐったりと動きを止め、断続的に
澪が、目を開く。
凪は、にっこりと笑い、澪に話しかける。
「お帰り、澪ちゃん! これからは、ずっと一緒だよ!!」
×××の討伐は失敗に終わり、責任の押し付け合いで季節が巡るほど手をこまねているうちに、日本の1/4が地図から消えた。
与野党はようやく、利害を無視した意見の一致に。
陸海空の防衛軍による合同訓練と称した爆撃や艦砲射撃、対地ミサイルによる攻撃を実行した。
最新の軍事兵器も投入され、全ての生き物が汚染されている前提で、徹底的に駆逐した。
地形が変わり緑は消え、ただ剥き出しの地面が醜く
巣が広がっている地下にも、
専門家による検証が行われたものの、その原因はさっぱり分からず、広大なエリアが立入禁止に指定された。
今でも、そのエリアには正体不明の生き物が
今回の大損害の発端である
自分たちへの批判を逸らしたかった政府や自治体の意向もあって、生き残った桜技流の
なお、主犯と
【
止水学館を攻略した時点で情報不足になっているか犠牲者へのトドメを避けた場合には、
どれだけ強力な装備を
ちなみに、北垣凪の居場所を突き止めても、戦力が不十分な場合は、エンディングNo. ×3「ずっと一緒だよ?」にも辿り着けません。
伏兵の演舞巫女はリミッターが外れていることから強く、実質的に無理ゲーです。
彼女たちは、自分が倒される直前にわざとらしい命乞いや誘惑をしてくるので、その点でもデバフがかかってしまいます。
ステータスと状況によってはプレイヤーの操作を受け付けず、そのまま誘惑に乗ってしまうから、要注意!
準備万端に整える選択では、日本の1/4が消滅した後の決戦に参加します。
航空機や戦車、パワードスーツといった強力なユニットや砲撃支援が使えるものの、危険エリアで生き残っている市民は例外なく処分しなければなりません。
お互いに数が多く、もはや戦争ゲームです。
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
おはようございました!
ガバッと上半身を起こした俺は、自室のベッドの上で、夢の内容を思い出そうと努めていた。
えーと。
えーと。
そう、セミが鳴いていた!!
ミーンミーンミーン! ツクツクツク!
……いい加減にしてくれ。
どーして、こう、肝心な場面は何も覚えていないのかなあ?
出てきたセミの種類と数は、スラスラと言えるんだよ。
それ、何の役に立つんだ?
原作知識を活かして、原作にすら描写されていないセミを正確に言い当てる!
ちょっとした、ホラーだな?
ええい!
俺だって、やればできるんだ!!
今、完璧に思い出してやるからなあ?
「若さまー! 朝ごはん、冷めちゃいますよ?」
おっと、いけない。
週末だからと、いつまでも
また面倒なことになりそうだが、俺が余計なことに首を突っ込まなければ大丈夫だ。
ヨシッ!
『この夏は、
『特別な時間を家族や恋人と過ごせる! 南国の海は、あなたのお越しをお待ちしています』
『あなたに似合う水着、あります! 夏セールをお見逃しなく!!』
リビングのテレビCMを背景に、
「もうすぐ、夏休みか……。期末テストが
思わず
「あの一軒家の捜索から、ずっと授業に出る余裕もなかったですからね……。特にこだわりがなければ、文系にしませんか? 理系だと、積み重ねの数学や物理、化学がメインです。出席しにくく、勉強時間を取りにくい私たちでは、不利になってしまいます」
まあ、そうだな。
進学するとしても、どうせ難関大学を狙うわけじゃない。
ひとまずは留年しない成績で、高等部を卒業するのが目的だ。
「若さま! セントリー警備会社の
なんか、久々だな?
退魔師の稼業ばかりで、あの課長の顔もしばらく見ていないや。
「どうやら、全員に説明があるようで……。カレナや
へー!
これまた、珍しいな?
というか、俺たちにはもう、警備会社のバイトは必要ないのだが……。
◇ ◇ ◇
「セントリー警備会社の古浜です。えー、本日お集まりいただいたのは他でもなく……。弊社の新たな事業についてのご説明、および参加の有無をアンケート調査するためです! オンラインで質疑応答をした場合、同じ質問が繰り返される可能性が高かったので……。事前にお知らせした通り、この時間は勤務として扱い、時間給を支払います。この場でご回答いただく必要はありませんが、正式にお返事をいただけない方については仕事の
うん。
相手を拘束している時点で、報酬を支払うべきだよな?
セントリー警備会社のホールに集められた退魔師の面々を見る。
高校生ぐらいの若手から白髪が目立つ中年まで、老若男女がいた。
隣に座っている南乃詩央里に
「諸般の事情により、退魔師の所属を新たに設立する探偵事務所へ移します! お手元の資料で18ページをご覧ください……。それぞれに特色があると言うよりも、リスク分散です。たとえば、A探偵事務所で市民が犠牲になる事件が起きた場合、即座に倒産させます。資本的につながっていますが書類上では全く別のため、B探偵事務所などに影響はありません。被害者への賠償と謝罪は退魔師の互助会の積立の他に、弊社が入っている保険の――」
それにしても、ずいぶんと急な話だ。
堅苦しい空気に包まれたホールで、面倒は一気に押し寄せてくるものだな、と感じていた。
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