間章 其ノ二

登場人物紹介 その①


ダンジョンサイド


六合真日りくごうまなか


本作の主人公。

前世にて、スナックで酔っ払いの諍いを止めようとして殴られ、当たり所悪く死亡した。転生神ククルシュカーによって新たな生を与えられ、アークデーモン種のダンジョンマスターとして、異世界【アストラーゼ】に転生する。

この世界ではステータスに則り、マナカ・リクゴウと名乗っている。


過酷な周辺環境と、苛烈な幼女神様の悪意に晒されながらも、『胸を張って生き抜いて、胸を張って死ぬ』ために、争いの無い平和なダンジョンを目指して奮闘中。


余談だが、この世界に産まれてより、彼に瀕死のダメージを与えたのは、主に味方からの攻撃である(一部敵を含む)。




【アネモネ】


真日の補佐のため、転生神ククルシュカーによって創造されたホムンクルス。


容姿端麗、家事万能、戦闘能力高し(敏捷特化型)。

【叡智】という固有スキルにより、世界のアーカイブに接続し、過去世界で起きた全ての情報を閲覧出来るという、主人公以上のチートキャラ。

雌雄同体という嫌がらせのような特性は、今のところ発揮されていない。


常に冷静沈着で、無表情でいることが多いが、最近は周囲の影響を受け情緒が育ち始め、表情を変えたり、声を荒らげたりなど、人間味(ホムンクルス味?)が出てきた。


本人の強い希望により、真日のことは『マスター』と呼ぶ、頼れる配下筆頭。




【マナエ】


真日と共同体として誕生したダンジョンの核である、ダンジョンコアの化身。


マスター登録の際に、予期せず真日にをされ、自我を獲得した。本来の個体名は、【第1986番ダンジョンコア マナエルウ】。

依代となる肉体を生成し、人格はそちらに移植されたため、本体のダンジョンコアとは別個の存在を確立した。


天真爛漫な幼女の姿だが、ステータスは真日準拠の下位互換となるため、真日が強くなればなるほど、マナエの能力も上がる。


王国動乱の際に初陣を飾り、与えられた装備は当人より遥かに巨大な戦鎚。

密かに【みょるにる】と名付けており、『みょーちゃん』と呼んでいる。

物理攻撃しか未だ扱えないが、成長の伸び代は広い。


真日に非常に懐いており『お兄ちゃん』と呼ぶ、皆の天使系妹キャラ。




【アザミ】


真日の固有スキル【魔物創造】により産み出された、初めての配下。

創造のイメージに用いられたのは、大妖怪【九尾の狐】である。


普段は固有スキル【人化】により、美しい、着物の獣人女性という姿で真日らと生活している。また、知識にある生物なら何にでも姿を変えられる【変幻】という固有スキルも持つ。


戦闘の際は、狐の姿と人の姿を使い分け、相手を翻弄し隙を作り出す盤石な戦い方を好むが、実質は万能型なオールラウンダー。

9本の尾がそれぞれ独立した魔力器官となっているために、魔法の同時展開や、複数属性をそれぞれ操ったりと汎用性が高く、更にそこに獣の身体能力や直感も加わるために、戦闘能力は非常に高い。

真日の第一の従僕を自負している。


飛行魔法を会得しているために、真日が遠出をする際は護衛に選ばれる機会が多いためか、密かに優越感を抱いているようだ。


真日のことは『マナカ様』と呼び、自身のことは『アザミ』と名前で呼ぶ。

騎士のような実直な性格をしている。




【シュラ】


真日の固有スキル【魔物創造】により産み出された、長身ナイスバディな鬼娘。


誕生した当初は男性型だったのだが、主従を巡る決闘にて真日に完敗することで彼を見直し、存分に仕えるために自ら身体を作り替えた(仮説だが、鬼の特性ではないかとは真日談)。


イメージに用いられたのは、【大江山の酒呑童子】という有名な鬼の大妖怪。

茨木童子や四天王はどうしよう、と最近真日は悩んでいる。


戦闘狂で近接格闘戦を好み、そのスタイルは膂力特化型。さらに魔力を収束させることも可能で、魔力を纏った状態ならば物理耐性のある相手にも通用する、非常識な存在。

事実、産まれた直後の戦闘にも関わらず、真日独自のカウンター結界を突破しかけた。


イメージが忠実に再現されており、うわばみと評したくなるほど酒好きの、大酒飲み。

古風な老人のような口調で、最初は真日のことを『小僧』と呼んでいたが、ある出来事により、『主様ぬしさま』に改めた。




ユーフェミア王国勢



【フリオール・エスピリス・ユーフェミア】


ユーフェミア王国の第1王女で、継承権は持たない。

政略結婚を嫌い、剣の腕を磨き軍の門を叩いたが、身分差による上官や周囲との軋轢により、訓練兵時代に意気投合したアグノイトやキースと共に、軍籍を残したまま部隊として独立。


道楽と揶揄されながらも人助けの活動を続けていく内に、彼女を慕う者が集まり、分隊規模の部隊となる。部下達の間で勝手に『フリオール隊』と呼ばれるその部隊を率い、とある大事件を解決に導いた。


その功績により、王家所領のエスピリス領を与えられ、エスピリスの称号を得る。しかし領地運営は稀に視察する程度で、執事のシュバルツに全て任せており、本人は変わらず隊の活動を続けている。


惑わしの森の魔物減少の原因を探っていた際、真日のダンジョンを発見し調査するが、罠に掛かりキース以外の部下達と共に捕まる。

そして真日と対面し、彼の王国との友好策に同意。以降は協力者となり、辺境伯や国王との橋渡し役を熟す。


情報漏れにより、王太子に国王共々幽閉されたが、アネモネとアザミの策により救い出され、辺境伯と協力して王太子軍を抑えることに成功する。


純粋で情に厚い性格だが、時折天然を発揮しとんでもないポカをやらかす。

最初は真日のことを『貴様』と呼んでいたが、動乱を経て『マナカ』と名前で呼ぶようになった。




【アグノイト】


通称フリオール隊の最古参の1人。

絵に描いたような騎士で、訓練兵時代にその実直さと国への思いからフリオールと意気投合し、自然と行動を共にして仕えるようになった。


武骨だが真面目で慢心せず、毎日の鍛錬は欠かさない。

同期のキース曰く狂った訓練魔とのこと。シュラとの手合わせで戦闘法を指摘され、装備をどうするかが最近の悩み。


隊の皆を纏め、管理する実質的なリーダーである。




【キース】


フリオール隊最古参の1人で、斥候。

元ドラゴニス帝国の少年兵で、虜囚だった折に王太子の腹心に拾われた。


その後命令により、フリオール王女の功績を王太子に捧げるために、王女に接触し、間者として隊に潜り込んだ。


ダンジョンに隊の面々が飲み込まれたのを機に裏切りを決行し、王太子に情報を漏らす。その手柄を以て自由の身を望み、姿を消した。




【アリア】


フリオール隊の衛生兵の女性。

治癒魔法と支援魔法を扱い、隊のバックアップを担う。自身にバフを掛け、錫杖を用いた接近戦も行う。


元貴族子女で、要領の悪さから両親に見放され、教会に預けられる。修道女として神に仕えるも、今ひとつ信仰にピンと来ず、要領の悪さもあって教会でも落ち零れ扱いを受けていた。


そんな折に治療のためフリオールが教会に立ち寄った。

天啓を受けたのか、運命を感じたのか彼女に一目惚れ(?)し、同行を懇願。フリオールに崇拝を捧げ、メキメキと力を付けていった。


趣味はフリオールの触診、好きなものはフリオール、嫌いなものはフリオールへの悪意全て。メンヘラ気味な百合娘である。




【ガッツ】


フリオール隊の工兵で、ドワーフ族の男。

手先が器用で鍛治も得意とし、道具から武器まで何でも作れる上、隊の装備の補修、整備も一手に担う。


好々爺的な人柄と、年齢を感じさせる口調から、隊の皆の良き相談相手、愚痴を零す相手となっている。


人間達に迫害され、暴行を受け路地裏で倒れていたところをフリオールに救われ、以降行動を共にすることとなる。


みんなのおじいちゃん。




【モニカ】


フリオール隊の輜重しちょう兵を担当する、エルフの女性。

隊の物資の管理、調達から、部隊行動中は料理番まで熟す。


豪快で明け透けな性格で、男勝り。しかし、摘み食いや小銭の誤魔化しには烈火のごとく怒り、まさに家計を預かるお母ちゃんである。

得意な武器は勿論弓で、隊の後方支援と、狙撃を主に戦う。


違法な奴隷狩りに襲われている所をフリオールと隊に助けられ、意気投合し同行する。




【リコ】


フリオール隊の斥候の1人で、部隊の最年少の少女。

無口で必要最低限しか普段は喋らない。冷めた表情をしているが、食事を摂る時は表情筋が緩むらしい。


生まれつき強大な魔力を有しており、恐れた両親に捨てられ、孤児として生きていた。


その膨大な魔力を見止めたフリオールに拾われ、生きる術として適した斥候と戦闘の技術を、キースを主にして隊の皆によって仕込まれる。


豊富な魔力で数々の術具を操り、斥候の技術や、その素早さと小柄な身体を活かし、撹乱から戦闘まで、幅広く活躍する。


隊のみんなに可愛がられるのは、まんざらではない。




【シュバルツ】


フリオールの専属執事として幼い頃から仕える、ナイスミドル。

過去にユーフェミア王国の王家に暗殺者として仕えており、現役を退くことを決めた際に、国王にフリオールの側仕えとして指名された。

それからは影に日向にフリオールを支え見守り続け、己の娘か孫かのように慈しみ、導いてきた。


フリオールが軍に入り部隊を率い独立した頃からは、暗殺者時代の情報網を駆使して情報収集を率先して担い、時折フリオールの前に姿を現しては重要な情報を齎す、影の隊員として暗躍している。


フリオールがエスピリス領を得て、執務を丸投げしてきた際には快く承諾し、家宰として領地運営を采配。その情報網で不義不正は一切許さないため、エスピリス領は治安も良く、豊かな領地として栄えている。


その余りにも有能で、欠点など見当たらない執事ぶりに、暗殺者時代の同僚からは『至高の執事ハイエンドバトラー』と呼ばれているとか、なんとか。




【フューレンス・ラインハルト・ユーフェミア】


ユーフェミア王国国王。

減らない仕事とは裏腹に、日々減っていく髪の毛に戦慄を覚えている。


穏やかな気性に反し、その政策は堅実にして厳正厳格。何よりも民の利益、国の利益を優先し、それに反する者ならば王族であろうと貴族であろうと、法の下に裁きを下す。

その人柄に信頼が寄せられ、市井では【名君】と称せられている。


王都動乱の際には息子に幽閉までされたが、その民を思う姿勢を貫き、真日との交友、盟約を締結した。


マクレーン辺境伯とは若年からの親友同士で、人の目の無い時などは愛称で呼び合い、軽口を叩くほど気の置けない仲である。




【マクレーン・ブリンクス】


ユーフェミア王国のブリンクス辺境領を治める領主で、爵位は辺境伯。

貴族らしからぬ筋骨隆々とした偉丈夫で、戦場では鎧に身を包み、身の丈ほどの大剣を振り回す。


洞察力に優れ、その功績と周囲を圧倒する威厳で、王国貴族の多くから煙たがられており、多数の物言いにより辺境領の鎮護を命じられ、王都から離される。


惑わしの森の魔物と、魔界からの魔族を一家で封じ込め、その勇猛さと常勝ぶりから、周囲に【軍神】と謳われる。


国王であるフューレンスとは同じ歳の旧知の仲で戦場を共にしたこともあり、臣下であると同時に、親友であることを許された稀有な人材。


王都から離され、親友の助けになれないことを気に病んでいたが、真日らの策によりその威容を見せ付け、王太子の謀反を鎮圧する。




【ウィリアム・ユーフェミア】


国王の長子にして、ユーフェミア王国王太子。

文武共に秀でた才を持った故か、選民的で性格は尊大。


腹心が手に入れたキースという手駒を使い、軍に入り独立しようとする目障りな妹フリオールの、未来に上げるであろう手柄を横取りしようと画策。間者として接触させ、行動を共にさせた。


王国動乱では、フリオールが発見したダンジョンを我が物にしようと、盟約を交わそうとする真日を捕縛、拷問した。


王位継承のために国王と妹を幽閉した上で、ダンジョンのある辺境領を目指し進軍したが、真日の配下達の活躍と、幽閉から脱した妹と辺境伯の干渉により、失敗に終わる。


国家反逆罪を言い渡され、国王の勅命により捕えられる。その際に、王太子の身分と、王位継承権も剥奪される。


現在は罪人として、ブレスガイア城の地下牢に拘束中。今後の処遇待ちである。


その端正な顔立ちと確かな身分、優れた能力は一定の評価を得るも、女癖の悪さも評判であり、被害に遭う使用人や女性騎士、市井の娘は後を絶たなかった。

それが捕まったことにより、一部の被害者からは此度の動乱の中心人物である迷宮の主に、感謝と憧憬の念が送られているとかいないとか。




その他



【転生神ククルシュカー】


転生を司る神様。

見た目は幼女、中身はドSの、遊び心溢れる女神である。


真日の本質を見抜き、その人間性を気に入る。

彼で遊びながらも、種族的に強靭なアークデーモンを勝手に選んだり、補佐役ホムンクルスを創造し送り込んだり、そのホムンクルスに様々なお助け機能(悪意7割強)を仕込んだりと、相当な入れ込みようである。


最近のお気に入りは、スナックカウンターを顕現させ、そこでお酒を飲みながらテレビで真日の痴態(恥態)を楽しむこと。

与えた数々のギフトや日々起こるトラブルに翻弄される真日を鑑賞し、御満悦である。



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