家の中に虫が大量発生

朝、目を覚ますと家のなかに虫が大量発生した。


「うぎゃあああああ!!!!!!!!」

と自分は思わず大声を出してしまった。部屋の周りを見渡すとハチにハエにムカデにゴキブリと虫のオンパレードだ。これで絶叫するなという方が無理な話だ。体にも何匹か虫が這っていて気持ちが悪い。というか寝てる時に食べてたりしないよななんて思った。


「こんなことをする奴は絶対にあいつしか考えられない。」

実は趣味で虫を集めてくる変人が家族の中にいるのだ。兄貴だ。噂をすればなんとやらで兄貴が帰ってきた。


「いや悪い悪い。虫の研究のために虫を取ってきたら、虫かごが間違って開いちゃって家の中にこんな状態になっちゃったよ。」

口ではこう言っているが、兄貴は全然悪びれた様子がなかった。というかこのクソ兄貴が何のために虫を研究しているのかもよく分からない。


「おい兄貴、一体これをどうするつもりなんだ? 」

自分は置いてあった殺虫剤を取った。そして、殺虫剤を虫たちにかけようとしたその時だった。


「殺すな!可哀想だからそいつらは外に逃がしてやってくれないか。頼む。」

兄貴は床にいた虫たちを払いのけて いきなり土下座をし出した。兄貴の頭にはムカデやらゴキブリやらが乗っていた。


「兄貴は本当にクソ野郎だな。◯ねばいいのに。」

兄貴は土下座すれば何でも許してもらえると思っている。実はこの家の中がムシムシハウスになったのは一度や二度ではないのだ。前にもこうやって土下座して、虫を外に逃がす手伝いをさせられたのだ。しかも兄貴はほとんど逃がさずに自分だけが一生懸命虫を逃がしていた。本当にムカつく兄貴だ。


「兄貴が虫を連れてきてこんな状況にしたんだろう?自分のケツは自分で拭けよ。今度は絶対手伝わないからな。」

自分は兄貴にガツンと言ってやった。こんなクズに手伝う義理はないからな。


「お前本当にそれでいいのか?このままじゃお前は今晩ぐっすり眠れないぜ。 お前が手伝ってくれないなら俺は絶対に何もしない。」

本当に兄貴はクズ野郎だ。全国飛び回ってもこんなクズの兄貴を持つ人は自分以外になかなか見つからないだろう。


「ぐぬぬ、分かったよ。やるよ。」

自分はゴム手袋を付けて手掴みで一匹ずつ外に出していくことにした。虫は本当にグロテスクな見た目をしていて気持ちが悪い。


「おっ、サンキュな。頼むわ。」

この軽い感じがまたむかつく。しかもなかなか動こうとはしないのだ。動かざること山の如しだ。


という感じで数時間かけてほとんど自分が虫を外に逃がした。見たいアニメとかもあったのにこの作業のせいで見れなかった。


「あっ終わったんだね。随分早かったじゃん。」

兄貴を一発ぶん殴ってやりたいほどムカついていた。


「今度またこんな状況が起きたら、次は兄貴を虫の餌にしてやるぞ!虫が大好きな兄貴なら、虫の餌になるのもきっと本望だよね!」

兄貴に笑顔でそう言ってやった。


「お、おう…」

この日から、家の中がムシムシハウスになることは無くなった。自分はムシムシハウスのことを親にチクったので、兄貴は家を追い出されることになった。


めでたしめでたし

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