[ホラー小説]呪いのお面

今日は友達の、たけおくん、りゅうくん、ひろとくんの3人と一緒に山で鬼ごっこをして遊んでいた。


鬼ごっこの最中に、僕がたまたま廃屋を見つけたので鬼ごっこを一旦中断してみんなを呼ぶことにした。


「みんな!廃屋を見つけたんだけどどうする?入ってみる?」

みんなは入ると即答だった。なので、みんなで廃屋に入ることにした。


廃屋の中はちょっと怖わそうだけど、みんなと一緒にいるから心強かった。 みんなで「いっせーのーせ!」で廃屋の中へと入った。


廃屋の中に入ってみると異様な雰囲気を放っていた。床にはとにかく色々な物が散乱していた。



床に散乱しているほとんどの物がよく分からないぐらいに古い物ばかりだった。ただ、落ちている物の中でも特段気になるものが1つあった。


お面だ。いつ作られたお面なのかは知らないが、自分は何か変な感じがした。


「誰かこのお面をつけてみようぜ」 とたけおくんが言い出して、みんなでじゃんけんをすることになった。じゃんけんに負けた人がこのお面を付けるというルールになった。


「それじゃ、いくぞ!ジャンケンポン!」

たけおくんがグーでそれ以外の人はみんなパーだった。


「ちぇー俺かよぉー。」

言いだしっぺのたけおくんがジャンケンに負けたのでお面を付けることになった。


「じゃあ付けてみるぜ。」

たけおくんはお面を被った。


「ど、どんな感じ!?」

僕たちは、たけおくんにそう聞いた。


「うーん、別に特に変わったことはないな。殺してやる。」

たけおくんはまるで違う人なんじゃないかと思うような声で殺してやるといきなり言った。


「え!?たけおくんどうしちゃったの!?たけおくん、そのお面変だよ!早く外した方がいいよ!!!」

たけおくんの様子を見て、このお面は明らかにヤバイ代物だということがすぐに分かった。


「ダメだ!ぜんぜん外れねぇよ!」

たけおくんの顔からお面がぜんぜん外れない。まるで接着剤か何かでしっかりと固定されているみたいな感じだ。


「頭の中で誰かが話しかけてくる感じだ!だんだんと自分が自分じゃなくなっていく!誰か、はず…して…」

たけおくんの様子は明らかに変だった。


「たけおくん!ぜんぜん外れないよ!」

僕たちが協力して外そうとしても、お面はびくともしなかった。


「うおおおおおおおお!!!!!!!」

そう言うとたけおくんは、床にバタッと倒れてしまった。


「た、たけおくん…どうしたの?」

たけおくんは死んでしまったのだろうか。そう思っているとたけおくんは再び立ち上がった。


「お前ら全員殺してやるぅ!殺す!殺す!!殺ーす!!!」

もう僕たちの知ってるたけおくんは、いなくなってしまったとすぐに分かった。声が、たけおくんじゃなかった。子どもが出す声とは思えないほど低い声だった。


「たけおくん!やめてよ!」

たけおくんは暴れ回って僕たちを攻撃してきた。


「おい!このままじゃ俺達たけおに殺されるぞぉ!」

みんなで逃げようということになって、しょうがないけど廃屋に、たけおくんを置いて逃げることにした。


そのあと廃屋を警察が捜索したが、たけおくんは見つからなかった。


僕たちは遊び半分でお面を付けようと思ったことを後悔した。あのお面は付けたらハズレない呪いのお面だったのだと思う。


たけおくんはあの日以来、僕たちの前から姿を消してしまった。僕はあの時、廃屋を見つけてしまったことを今でもひどく後悔している。


ごめんたけおくん。


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