【ホラー小説】雨の中のお迎え

ザァーーーー!

滝のような雨が降ってきた。


「あちゃー、これじゃ私家に帰れないじゃん… 」

ちょうどバイトが終わって家に帰ろうとしていた時にものすごい雨が降ってきた。雷もすごかった。


私は雨宿りできる場所で雨の恐怖に怯えながら立ち尽くしていた。すると1台の車が私の前に止まった。


そして車の窓が開いた。大学の男友達のケンジが運転していた車だった。ケンジが車の中から何かを喋っている。


なんだろう何かを言っているようだけれど、雨で何も聞こえなかった。多分乗れってことだろうなと思って私はとりあえず車に乗った。


「いやー助かったよ。こんなに雨が降ってくるとは思わなかったからさ。というかよく私がこの時間にバイトが終わるって分かったね。」


「……………。」

ケンジは一言も喋らず黙って運転していた。


まあいいやと思いながら、私は助手席に座っていた。するとナビが起動した。「この先左側です」とどんどんどこかへと向かっていった。


あれ?目的地は私の家じゃないのかな?なんでわざわざナビなんか使っているだろうか?と色んな疑問が沸いてきた。ケンジがどこに向かっているのか自分はよくわからなかった。もしかしてこのままどこかに行ってプロポーズでもされるのだろうか?まあそんな訳がないか。


外はものすごい大雨なので、家に帰りたくても今降りるわけにもいかないし、まあ何かのドライブかなと思って気にせずそのまま乗ることにした。


数十分後には雨はすっかり止んでいた。するとケンジの車は高速道路に乗った。


「ちょっとケンジ!どこへ向かうつもりなの!いい加減にしなさいよ!」


「……………。」

ケンジは黙ったままだった。一体どこへ向かっているのだろうか?


「もういいよ!私帰るからここで降ろしてよ!」

ケンジは黙ったまま運転する。ケンジは高速道路でかなりスピードを飛ばしていた。これだと、無理矢理開けても降りることは出来ないので乗っているしかなかった。


どこに向かっているのか分からないが私はバイトの疲れが溜まっていて眠たくなってきてしまった。そしてそのまま気絶するように眠ってしまった。


「ん…今どこだろう…?」

私は目が覚めた。そして気が付いたら車の外に見える景色が暗い森の中だったのだ。


そしてケンジの方を見るとケンジとは、まったく別人の人が運転していたのだ。まるで生気が感じられないような人だった。


「キャーーーー!!」

私は無理矢理をドアを開けて車から急いで降りた。私は車から転げ落ちた。何とか無事だった。そして車はどこかへと走り去ってしまった。


だがしかし、車から降りたは良いもののここはどこだか分からない。スマホも圏外で通じない。この森は一言で表すと、とにかく不気味。


すると森の奥から変な声が聞こえてきた。それに合わせて身の毛がよだつような不気味な音楽も聞こえてきた。


「え、誰かいるの…」

すると暗闇の森の中で2つの目がたくさん光っていた。私は囲まれてしまったのだ。


すると原住民みたいな格好をした人がたくさん出てきた。そのあと、私は彼らの体の一部となった。

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