[ホラー] 画面の中で動く顔

「なあなあ! さっき1階から2階の階段ら辺で心霊写真を撮ったんだけど見てくれよ!」

「まあ見てやってもいいけど、どうせ何かの見間違いだと思うけどな。」

 自分は幽霊はあまり信じていない方だった。まあちょっとだけ面白そうだと思ったので見せてもらうことにした。


「それはどうかな? まあ見てみろって! 何か顔みたいなのが写ってんだって!」

「どれだよ」

 友達が興奮しながらスマホで撮った見せてきた。自分は友達のスマホの画面を見てみる。


「これよこれ!」

「まあたしかに見えなくはないが…」

 白い顔みたいなものには見えるが、何か微妙な感じだった。どうせそう見えるだけだろうなと自分は思った。

 自分は瞬きをした。次に画面を見たときに何か異変を感じた。


「えー、絶対心霊写真だと思うんだけどな…。なんかショックだわ」

「え…?」

 自分は何回か瞬きをして画面を見てみた。その度に画面の中の顔がちょっとずつ動くのだ。


「ん、どした?」

「お前、これ本当に写真だよな…?」

 自分は友達にそう聞いた。


「ああ、正真正銘の写真だよ。」

 詳細ボタンでちゃんと写真だという証明を友達は見せてくれた。そしてまた元の画面に戻ると顔の位置が移動している。

 というよりもちょっとずつ大きくなっていってる。


「お前、それ多分すぐに消した方が良いと思うぞ…これは本気でダメなやつだわ…」

 この心霊写真はすぐにヤバイやつだと分かった。何か異様と言うか、とにかく変な感じがする。

 この写真からは、何とも言い難い気持ち悪さを感じるのだ。本能が直接危険だと訴えかけてくるそんな感じだ。


「やっぱり本物の心霊写真だったか!ひゃっほー!みんなにも見せてこよっと!」

「お前、聞こえなかったのか…? 俺は消せと言ったんだよ…! 今すぐに消しやがれ!!!」

「なんだよ、本物の心霊写真だったら消したらもったいないじゃないか! いずれはネットにもアップしちゃうもんね!」

「分かった…。1度だけならみんなに見せるのは構わない。だけどいいか、絶対にその写真を最後まで見せるな! 分かったか! あと、ネットにも上げない方が…いい…」

 この写真を最後まで見てはいけない気がした。きっと最後までこの顔を最後まで見続ければ何か良くないことが起こると直感した。

 正直恐怖で汗が出ている。


「さっきからお前なんなんだよ。これは俺が撮ったんだ。俺の好きにさせてもらうぞ」

「もう勝手にしろよ…」

 自分は友達にそれ以上のことは何も言えなかった。それ以来その友達と関わることはなかった。

 なぜなら会ったのはそれが最後になったからだ。次の日から急に学校に来なくなってしまったのだ。

 きっと何か良くないことがあったのかもしれない。

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