夢の宝箱～不思議な夢日記を綴ったもの～

[ホラー] 心霊スポットに行ってからなんか身体が変だ…

心霊スポットに行ってからなんか変なのだ。左耳から男が不気味に笑っている声が聞こえてきて、右耳からは女が悲鳴をあげてる声が聞こえるのだ。

「うわああああああああああああ！！！！！！」

　それが毎日毎日両耳から聞こえて来るから、いい加減自分も頭がおかしくなりそうだった。これは絶対に何かおかしいと思った。

　次の日も自分はいつも通り生活していたらまた両耳から何か声が聞こえてきた。

「うわああああああああああああ！！！！！」

　自分は頭がおかしくなりそうになるそんな時だった。ほんの一瞬だけ自分の意識が飛んだのだ。

　そして意識が戻ると自分は、さっき立っていたところと違う場所に立っていた。これはどう考えても自分の身体が移動している。

　やはり心霊スポットに行ったせいなのだろうか？だったら遊び半分で心霊スポットに行くんじゃなかった。

　それになんだか自分の身体が自分じゃないみたいなのだ。自分の考え通りに身体が動いてくれないぞ。

　そしてそれは突然起きた。明らかに自分の意思と逆らって自分の身体が動き出した。今回は意識がはっきりしていた。

「俺の身体、止まれえええええ」

　ぜんぜん止まらない。それどころか、どこかへ向かおうとしているようだ。もう自分を無理矢理気絶して止めるしかない。

　身体のコントロールがきかないとはいえ一瞬だけ身体のいうことがきく瞬間が何度かあることが分かった。

　自分はそこを狙ってうまく頭をぶつけた。そして気絶した。

「いててててて…」

　目が覚めた。自分は気が付くと自分知らない場所に立っていた。いや、この廃墟みたいな場所を自分は知っているぞ。ここはまさにこの前行った心霊スポットだった。

　それが分かった瞬間に鳥肌がブワッっと立った。こんな怖いところから一刻も早く離れたいと、そう思った。

　だが、やはり身体がいうことを聞いてくれないらしい。目も閉じることが出来ない。目がずっと開いたままだ。

　そんな時だった。前方から何かガサゴソガサゴソと音を立てて何かがやってくる。それと同時に何かブツブツと声が聞こえる。

「へだもどへだもどへだもど…」

　何を言っているかは分からないがはっきりと聞こえた。その声が聞こえた瞬間に背筋がゾクッとした。

　そしてその声の主がとうとう自分の目の前に姿を現した。全身がぶよぶよして真っ白い水死体のような4足歩行の化け物が気味の悪い動きをしながらこちらへと向かって来ている。

　その姿を見た瞬間に一瞬心臓が止まったかのように感じた。いったいこれは何の冗談だ。悪い夢なら今すぐ覚めてくれとそう願った。

化け物がゆっくりこっちへと近づいてくる。この瞬間が永遠のようにも感じられた。そしてその化け物はとうとう目の前にやってきた。

　自分の身体が動かないので、ただそいつが顔を見ているしかなかった。そしてこれは明らかに生きているやつの顔では無かった。

　すると後ろからも何か気配が感じる。しかも２人の気配だ。そして左耳から男が不気味に笑っている声が聞こえてきて、右耳からは女が悲鳴をあげてる声が聞こえるのだ。

　前方には水死体みたいな化け物が自分を観察するように自分の事を右から見たり左から見たりしていたそしてまた真ん中に戻ってきた。

「はんべんらべはんべんらべ！」

　化け物はよくわからないことを言いながら口を大きく開けて自分を食べようとしていた。いよいよ自分はダメだと、そう思った。

「うわあああああああああああ！！！！！！！」

　そして次の瞬間には自分は家の中で目が覚めた。どうやら頭を打って気絶して悪い夢を見ていただけだったらしい。

　本当によかった。これ以来、身体が勝手に動かなくなるということは起こっていない。

　だがたまに幻聴なのかどうかわからないが、男と女の声と夢の中であった化け物の声が聞こえるような気がする。