あべこべ玉手箱
公園で友達と一緒に不思議な箱を発見した。箱には玉手箱とわざわざ丁寧に書かれていた。
「これ開けようぜ!」
「いやいや、こんな怪しい箱開けないだろ。開けたらヘビとか出てくるかもしれないじゃん」
「んな訳ないだろ。入っているとしたらきっとお宝だ」
「それはないな」
こんな感じで長い間話し合った結果、最終的に一緒に玉手箱を開けることになった。
「いっせーのーせ!で開けるぞ。分かったか!」
「ああ…!」
友達がそう言って、自分は唾を飲み込んでゆっくりと頷いた。
「それじゃぁ、いくからな…!」
「おう…!」
「いくぞー! いっせーのーせ! うわぁー!?」
そして不思議な箱をいっせーのーせで開けた。それと同時に箱の中から煙がモクモクと出てきた。
2人は箱の中から出てきた煙をおもいっきり吸い込んで咳き込んでしまった。そして煙がなくなると大変なことになっていた。
「…!?」
友達がおじいさんになってしまったのだ。 一体これはどうしたことだろうか?そして自分はなぜか言葉が上手く喋れなかった。
「おいお主、赤ん坊になっておるぞ!」
「ばぶばぶ」
どうやら自分は赤ん坊になってしまったらしい。一体どういうことなのだろうか。友達は老人になって自分は赤ん坊になったのだ。
もしかしたらあの謎の煙は生命エネルギーを交換する煙で友達は生命エネルギーが抜かれたので老人になってしまったのかもしれない。
そして自分は生命エネルギーが入ってきてこんなに若くなったのかもしらない。とりあえずこのままでは家には帰れない。一体どうしたらいいものか。
悩んでいるとここであることに気付く。玉手箱が重箱になっていたのだ。ということはまだ下の箱は開けていないということだ。
もしかしたら下の箱にはさっき開けた箱と似た生命エネルギーの煙が入っているのかもしれない。
でも、もし下の箱を開けたらどうなってしまうのだろうか。また生命エネルギーの入れ換えが行われて、友達は年を取りすぎて死んでしまうかもしれない。
そして、自分は若くなりすぎて胎児になって死んでしまうかもしれない。そんな悪い想像が頭をよぎった。
「お主、分かっておるな。もう開けるしかないのじゃ!」
「ばぶばぶ」
このままいてもどうしようもない。だったら一か八かで戻ることに賭けて箱を開けてみることにした。
「よし、またいっせーのーせで開けるぞい!」
「ばぶばぶ」
自分は赤ん坊の状態だが頷く。
「いっせーのーせ! うわー!?」
友達が掛け声をしていっせーのーせで2人同時に箱を開けた。すると箱の中から怪しい煙が煙がもくもくと立ち上る。
そして2人はその煙を吸い込んでまた咳き込んでしまう。そして煙は晴れた。一体2人はどうなったのだろうか?死んでしまったのだろうか?
「おい! 成功だぞ! 上手くいったんだ!」
「やったー!」
今度はちゃんと元通りに戻っていた。
「一時はどうなるかと思ったがちゃんと元に戻れて良かったぜ!」
「それな!」
空も暗くなってお腹も空いたので2人はそれぞれの家へと帰っていった。
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