部屋の中で1人花火をした
夏ももうすぐ終わってしまうということで夏を悔いなく終わるために花火をやりたいと思っていた。
けれど、友達のいない自分が1人で外で花火をやるのは何だか恥ずかしいなと思った。
そんなときに「部屋の中で花火を出来るんじゃないか!?」と、ふと思った。ので、部屋の中で花火をやってみることにした。
これなら外に出て1人で恥ずかしく花火をしているところを誰かに見られる心配もないぞと思った。
自分はロウソクに火を付けて、床が燃えないように色々工夫しながら花火をやることにした。
早速、花火をロウソクに近付けて花火に火を付けた。すると煙を上げながらシューっと音を立てながら勢い良く火花が出てきた。
緑がかった色をしていてものすごくキレイだった。自分は、この一本の花火を一秒一秒嚙みしめるように遊んだ。
だが、この一本の花火はすぐに終わってしまった。花火が終わってしまうとなんだか寂しい気持ちになる。
だがしかし、今回は花火を1人で楽しむのでまだまだ花火はぜんぜんあるのだ。
花火がたくさん出来るというのが、1人花火の1番のメリットかもしれないな。そんなことを思いながら黙々と花火を続ける。
次の花火にも火を付けて早速、火が出てきた。黄色っぽい火が出てきて、先ほどの花火の色と違うので新鮮な気持ちで楽しめる。
暗い部屋の中で花火が綺麗に映える。夜空に打ち上がる花火にも負けず劣らずだと自分は思った。
どんどん花火を消化していった。次の夏はどうやって1人で花火をやろうか今からじっくり考えなくちゃ。
もしくは次の夏は誰かと花火を楽しんでいるのだろうか? そんなことを考えていた。
すると「ピーピーピー!」と警報音が鳴り出した。自分はビックリして「うひゃー!?」と変な声を上げながら飛び上がってしまった。
どうやら花火をした時に上がる煙で火災報知器が作動してしまったようだ。
1人花火をしようと思ったときに火災報知器のことまでは頭が回らなかった。反省反省。
そんなことを思っていたら、遠くの方から消防車のサイレンが鳴り響く。どうやらこの賃貸アパートに消防車は向かってきているらしい。
そして消防車はすぐに到着して、サイレンが静かな住宅街に鳴り響く。サイレンと呼応するように自分の心臓も鳴り響く。
この賃貸に住んでいる別の住人が火災報知器の音を聞いて、119番通報をしてしまったらしい。なんてことをしてくれたのだ。
このあと消防隊員にこっぴどく叱られたのだった。
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