第22話 選択する運命

「一体どうすれば…」

俺は悩んでいた。モニターには5枚のカードが表示されている


・『クオーツランサー』 Eレア400p

コスト8 青属性 ATK2400DEF2400

①このクリーチャーは相手のクリーチャーを無視して攻撃できる。


・『マグマン』 Eレア400p

コスト4 赤属性 ATK1000DEF1000

①このカードが召喚に成功した時、山札の上から5枚を公開する。その中から白属性と緑属性のカードを加え、残りは墓地に送る。


・『異次元転送装置』 レア200p

コスト1 速攻魔法カード

①自分フィールド上のクリーチャー1体を選択し墓地に送る。(この時クリーチャーの効果は発動しない。)次の自分のターン開始時にそのクリーチャーを自分フィールドに戻す。


・『隠密の霧』 レア200p

コスト2 速攻魔法カード

①①このカードを発動したターン、自分フィールド上のクリーチャー全ては相手の攻撃、効果の対象にならない


・『ディメイションクロー』 コモン100p

コスト2 黒属性 ATK1000 DEF1000

①コスト1を払い、このカードを手札から捨て発動できる。相手の墓地のカードを1枚選び、相手のデッキの1番下に戻す。


これが『カードメイカー』の特徴だ。

ローラの説明によれば、俺のコレクションからランダムに5枚のカードが選ばれ、それに記されたポイントを支払えばそのカードが手に入る仕組みになっているらしい。


そのポイントは倒したクリーチャーから得られる。

例えば、さっき吸収したルムルムの数は57体。レア度Cのクリーチャーは一体につき10pのため、

カードとして登録された一体を除く分のポイント〜560ポイントが得られるというわけだ。


ポイントの量的に取り方は

400+100

200×2+100


の2通りだ。

見ての通り、全てのカードを取ることは出来ない。そのためどのカードを取るかが大切になってくる。

1番の候補はクオーツランサー。クリーチャーを無視して直接攻撃できるので、楽にメラノ内部に到達できるだろう。欠点としては、青白い水晶の鎧を着たケンタウロス型のクリーチャー故、非常に目立つ事だ。突入した瞬間見つかってしまうだろう。

幸いにも競合相手である『マグマン』はとってもその真価を発揮できない。

バトマでは禁止カードなので取りたい気持ちもあるが今は我慢しよう。


問題は200pのカード2枚。こちらも突入に欠かせないカードだからだ。


まず、『異次元転送装置』 。バトマにおいては破壊されそうなクリーチャーを逃したり、エンドフェイズに発動するデメリット効果を阻止したりと多種多様に働いたカードだ。

この世界においてもそのような役割で活躍するだろう。


次に『隠密の霧』。これはバトマでは大して強くない。しかしこれのFTには「その霧は、全てを隠す」と書いてある。俺はこれを『味方の姿を完璧に消す事ができる』と判断した。俺の思い通りに行けば敵に見つからずにトレカを探す事も可能になるだろう。


しかし、今の手持ちで戦力になりそうなクリーチャーはオルカマンとタイラントキングサーモン(ATK2400 効果なし)くらいしかいない。大群で来られるとエルーマの投擲も間に合わないためもう一体くらい大型クリーチャーが欲しいのだ。

クオーツランサーか、有能速攻魔法か、どちらにも長所と短所がある。


「オルカマンならどう取る?」


「ふむ、私は速攻魔法を取る。メラノ内部の探索ではそちらの方が役立ちそうだからな。」


「確かに…そうだな。あんたの意見を参考にしてみよう。」


俺は速攻魔法を取ることにした。

こうして完成したのがこのデッキだ。

・タイラントキングサーモン

・カタパルトフロッグ

・シザー・デス

・ディメイションクロー

・オルカ魚雷

・ヘルスクラッパー

・地割れ

・異次元転送装置

・隠密の霧

・蝶の剣 エルーマ


「試しに引いてみるか。…ドロー!」


・『シザー・デス』

・『隠密の衣』

・『地割れ』

・『タイラントキングサーモン』

よし、いい手札だ。

「さあ、進もうぜ!」

シュイン!

俺は『シザー・デス』を召喚し、それに跨った。

こうして、メラノへ向かう準備が整った。


しばらく進むと、険しい崖が見えて来た。

マップによるとメラノは死火山の中にある都市であり、4ヶ所ある切り通しからしか入れないらしい。

要は自然の城塞都市と言うわけだ。


幸いにもすぐ近くに切り通しがあり、そこから内部に入る事にした。


「マサル。ここは敵に挟まれやすい。『隠密の霧』を使って一気に駆け抜けるぞ。」


「おう!そのつもりだぜ!」


俺は『隠密の霧』を使い、味方を隠した。

これなら監視役がいてもばれずに済むだろう。


カニカニカニカニ…!

全速力で疾走する『シザー・デス』。

その頭上には鳥形のクリーチャーが偵察していたがばれている様子はない。

『隠密の霧』の効果は抜群なようだ。


しばらく走ると、細い光が見えて来た。出口が近いのだろう。


ボゴォォォン!


突如地面が盛り上がり、『シザー・デス』諸共宙へ舞い上がる。


「ぐぁぁぁ!」LP3800→2600

俺は地面に叩きつけられた。


「大丈夫か?!」


「ああ、なんとかな。」


ヲヲヲヲ…

土煙が晴れ、俺達を突き飛ばした奴が現れた。

崖を越える背丈を持つ岩の巨人…こいつは


「地球巨人ープレートガイアか!」


「グオオ…」

巨人はこちらに向け赤い目を点滅させている。俺にはこう感じ取れた。


「抹殺する」と…

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