23話 地球巨人 プレートガイア

地球巨人ープレートガイア


コスト8 緑属性 ATK2800 DEF1000


①このカードの召喚時、墓地の緑属性クリーチャーを2枚までデッキの1番下に戻す事ができる。戻したなら、その枚数分このカードのコストを下げる。

②このカードが戦闘を行う時。相手クリーチャーの攻撃力(ATK)、守備力(DEF)は半分になる。

③自分のエンドフェイズ時、墓地の緑属性属性クリーチャー1体をデッキの1番下に戻す事ができる。戻さなかった場合このクリーチャーを破壊する。


こいつは現実のバトマでは緑デッキのエースクリーチャーとしてよく見かけた。


①の効果はとても優秀で、実質コスト6で召喚できると言うわけだ。

コスト6の攻撃力の上限は2400。それを上回るこれは脅威だ。

その攻撃力に追い討ちをかけるのが②の効果。要は5600以上の攻撃力が無いとこのクリーチャーを戦闘で倒せないのだ。


流石に強すぎるので自壊効果である③があるのだが…「緑属性クリーチャーをデッキに戻す」という一文に注目してほしい。


もう分かった人もいるかもしれないが、そう。これをトリガーにして効果を発動するカードが緑属性に豊富にあるのだ。

コストジェムを増やしたり、相手のクリーチャーをデッキにバウンス(戻すこと)したり、味方に耐性をつけたりと様々な効果を発動できた。


これにより、相手の場を破壊しつつ自分の場を固める事ができたのだ。


そいつが今、俺たちの前に立ちはだかっている。


「俺は『地割れ』を発動!」

一か八かで発動したこれは、相手の攻撃力が1番低いクリーチャーを破壊する魔法カードだ。相手が一体だけならどれだけ強いクリーチャーでも破壊できる。

そう、一体だけなら…


「ピィィ!」

ガバア!


淡い期待は外れた。偵察で飛び回っていた小鳥型のクリーチャー〜ウォッチ・チッチに当たったのだ。


ウォッチ・チッチ


コスト2 赤属性 ATK800 DEF800

①このカードの召喚時に発動できる。デッキからコスト6以上の赤属性クリーチャー一体を手札に加える。


この通りプレートガイアより攻撃力が低いため、こちらに当たってしまう。


気がつけば、『ウォッチ・チッチ』の別個体が近くまで来ていた。これでは引き離して地割れを再び引き当てたとしても、プレートガイアには当たらない。


対抗手段が無い以上逃げるしか無い。幸いにも他の緑属性クリーチャーは見かけてない。奴の自壊まで持ち込めば勝機は見える。


そして俺の手札はまだ1枚ある。申し訳ないが、おとりになってもらおう。


「黒海を割り、黒河を砕き、黒山の頂きに君臨せよ。いけぇ!、

『タイラントキングサーモン』!」コオオ!


ミシイ!…ビチビチ…


召喚した鮭は、不幸にも崖の間に挟まってしまった。

これでは、囮ではなくただの肉壁だ。


「やっちゃった…か」


「いや、これは不幸中の幸いと呼べるものだ。鮭の上を通ろう。」


「は?………確かに通れそうだな。」


鮭は尾を俺たちの足元に向け、頭を崖の上の方へ向けていた。要は


「崖の上に行こう。」


という訳だ。流石オルカマン。考えることが違う。


「行くぜ!!!」

俺たちは鮭の上を全速力で駆け上がった。

活魚の上を走るなんて地球では出来ない経験だ。鱗で少し滑りやすいが、跳ね返る時の感触が心地いい。


「うおおおおおお!」

こうして俺たちは崖の上に登ることが出来た。

その直後…


ズドーン!

鮭に46億年の記憶を載せた拳『ガイアスマッシュ』が炸裂した。いや、ここは異世界だから46億年ではないな。きっと違うだろう。


ドシン…

渾身の一撃を撃った巨人は、目の光を消してしゃがみ込んだ。


「よし。これで自壊したな。」


「…油断するな。くるぞ!」


カッ!

巨人の目に再び火が灯る。

その目は俺たちを凝視していた。

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