第8話(軽井視点)
「《
「後ろ?!」
そう言って軽井が振り返るとそこに2人の姿は存在しなかった。
「残念、上ッスよ!」
頭上から先程まで聞こえていた元気な声が聞こえた。そこには、上から落ちてくる対戦相手の2人の姿があった。
「上?!」
「残念だけど、上じゃなくて斜め上よ。」
これは
そして、有村従と
「うぐっ!」
「っ…!」
2人の体は現在かなり軽くなっているためそのダメージ量は尋常ではなかった。彼女たちの体は面白いぐらいにした方向に向かって急激な速度で落下していき、ドーーン!!と強烈な音を立てて地面に叩きつけられた。
「あれ?なんか手応えの割に重い音がしたッスね。」
「多分殴られた衝撃で解除lightの能力による軽量化が解除されたんじゃないでしょうか。あの状態は機動力に全振りした結果の、防御がとても薄い形態だったようだね。」
「はえー、姉さんは頭いいッスね!」
「ちょっと…なに勝手に終わった雰囲気出してんのよ…!」
「まだ、負けてない…!」
「嘘でしょ、まだ立てるの?」
立てない、立ちたくない。背中から落ちたせいで呼吸は上手くできないし、目もよく見えない。多分肋骨も数本折れてる。全身が熱を帯びたように熱い。少しでも力を抜いたら倒れちゃいそう…。けど風花ちゃんがまだ諦めてない。なら私も、私を選んでくれた風花ちゃんの為にも諦められない!!
あの技を使うならここしかない…!
「明!補助!」
「《
私は再びlightの能力を発動する。しかし今回は私は対象にせず風花ちゃんのみに向けて行使をする。
「《
風花ちゃんの周りで一瞬強烈な風が吹き上げる。だけどその風はすぐに収まった。その風は風花ちゃんの周りに圧縮されたんだ。
ミリ単位で操られた強烈な風は触れるものを弾き飛ばし、移動を行えば少しの力で一瞬で遠距離を移動できる。さらに、その手に握られた風の剣は止まることなく常に蠢いていた。
「これで潰す!!」
「姉さん、アレやばいッスよ!?」
「分かってるわ!とにかく気をつけて見定め…」
刹那、2人の視界から風花の姿が消えた。
「遅いね!」
空野は手に持った剣を横薙ぎに振るった。彼女の剣は相手2人の胴体を着実に捉えて吹き飛ばした。
「この剣の本質は斬ることになく、吹き飛ばすこと。そしてこの剣は周りの空気を巻き込む。」
2人の周りの空気の流れは空野の持つ剣に吸収され、2人の周りの空気は完全に止まった。そしてそれは空気が固まったことを意味する。その結果…
「っ…!」
「カハッ…!」
対戦相手の二人の呼吸は封じられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます