第2話(天城視点)
「選手入場ーーー!!!」
実況席からマイクが鳴り響く。さすがというか、なんというか…。こんなのもあるんだ…。
「日与理、頑張ろうか。」
「…やれるだけやろう。」
僕たちは覚悟を決め、入場通路を出口に向かって1歩ずつ踏みしめるように歩いていく。やがて通路を抜けると聞こえてきたのは会場中が揺れるような大きな歓声だった。そして、向かいからは相手の
相手と向かい合うように僕たちは正方形の舞台に立った。広さは教師4個分ぐらいかな。地面は、多分コンクリートだね。これなら、うん。使える。
「それではお互いに名乗りとお互いの授かった言葉の力を宣言してください。」
「
「同じく文瀬日与理、letter《文字》とgive《文字》。」
「智南高校
「…同じく
天野運と名乗った男は金髪を長く伸ばして後ろで1つに束ねていた。耳にはピアスを付け、制服を着崩したキリッとした目が特徴的な長身の男だった。。
依原存は黒い髪を2つ横で束ねたツインテールだった。目元は泣いたあとのように赤く腫れていてまつ毛は長く小柄な女の子だった。
「勝利条件は相手チームを場外にするか、戦闘不能状態にするとです!では、第1回戦第1試合、はじめ!」
「速攻で決めるよ日与理!『
「了解。『
まずは僕が壁を作る。そして能力を発動すると同時に右肩のwallの文字が光るのを感じ、舞台を半分に区切る程の大きさのコンクリートの壁を目の前に作った。
そして日与理が僕が作り出した壁にpushの文字を書き、創り出した壁を相手方向に向かって軽く押した。すると壁は押した方向に水平に進んでいった。上手くいけばこれだけで相手を押し出して勝てるはず。
「やっば!これだから2つ持ちは嫌なんだよな!
「めぐりん流石…!『彼への
「「『
存と運が手を壁にかざすと、一瞬にして壁に大きな風穴が空いた。そして壁はそのまま2人をすり抜けて場外に落ちてしまった。
「やっぱ一筋縄じゃ行かないよね…」
「大丈夫、これぐらいは想定内。」
Diceとdepend、予想するに。いや信じたくないけど多分diceの能力でランダムにその場で言葉の力を新しく授かってその彼に合わせてdependの彼女にも同じ能力が発現するってところかな?
ランダムな能力の法則性とか1つずつしか使えないのかとか、分からないことだらけだけど。もしほんとに毎回ランダムな能力が出るなら…
そんなの言葉の数は実質無限じゃないか…。
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