第34話
「とりあえず、私は日与理ちゃんの姿になったわけだけど、今から私は日与理ちゃんの目に分析の能力を与えるわ。」
「あの、その能力っていつになったら消えますか?」
「私が『
「分かりました。じゃあお願いします。」
秋宮先輩は頷くと、右手の人差し指をだし、空中に指を走らせた。僕はてっきり漢字で書くと思ったが彼女が現在書いているのは何かの記号のようなものだった。
「あの、その文字は?」
「ああ、これね。これは速記って言って、議会とかで使われる相手の発言を記録するための文字を崩す技術なんだ。ちなみにこれは英語の速記ね。これはメチャクチャ速く書けるんだ。あ、でも日与理ちゃんは使わないほうが良いよ。言葉の効果が下がっちゃうからね。」
「じゃあ、秋宮先輩も漢字で書いたほうが良いんじゃ?」
「私は日与理ちゃんをより強くしてコピーしてるの。今の私はいわば、日与理ちゃんの上位互換みたいな感じかな。だから速記でも漢字並みの効果があるんだ。」
秋宮先輩、さすがにヤバいな。というか速記なんてどこで習ったんだろう?少なくとも普通に生きてて身に付く力ではないよね。
「よし、これで完成っと。走くんは壁を適当に作って。日与理ちゃんは分析使ってみて。」
「わかりました。『
「分かった。『
日与理が『
「なに、これ?」
「ああ、多分情報過多かな。今日はこの壁を完璧に分析してもらうよ。」
「え…」
日与理にとってはとても過酷な修行の始まりだった。
※※※※※※※※※※※
「はあ…」
いくら修行のために運動場を貸しきったとはいえ俺一人って…
俺も師匠欲しかった。まあ、確かに俺のこの能力の師匠って誰さって話だけど。うぐあーーー!納得できねー!
「師匠が欲しいーー!」
「ですよね。」
「本当にそう、ってあれ?」
俺の隣にはまた例の如く白い少女がいた。というか最近出すぎでは?そして、俺も流石に学んだぞ。彼女がいるということは周りが止まって、、、いない?!
「私は飽くまで体内時計を止めるだけであって時間は流石に止めれないので。今止めたら修行の時間が無駄になるので。」
「確かに…!もしかして、あなたが俺の師匠ですか!」
「そうですよ。」
「よっしゃーーーー!」
憧れの師匠が来た。これで俺もなんか少年漫画の主人公みたいに修行をしてメチャクチャ強くなるとか出来るんだよね!
「まあ、修行の方法は少し特殊ですけど。」
白い少女は環には聞こえないぐらい小さな声でそう、ボソッと呟いた。
※※※※※※※※※※
「いやぁ環君には悪いことしちゃったな。でも彼女の存在をまだ余計に広める訳にはいかないからね。」
アイツの情報網は私達の予想を上回っている。いつまたあの、チート通り魔を差し向けてくるか分からないしね。それに今回はまだ私達はアイツの居場所を把握できていない。
妹の風花はまだ弱いから巻き込めないな。
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