第32話
私達は現在、球子先生に連れられて体育館に来ていた。私達はここで修行をやるらしい。
「じゃあ、早速始めるぞ。まあ、とりあえず二人で協力して戦ってみて私と戦ってみてくれ。。」
「え、そんないきなり良いんですか?それに二対一だし…」
「ああ、良いから兎に角やってくれ。あ、それと初めてだろうから丁寧にやってくれ。」
「分かりました。じゃあ行きますよ。明、よろしく!」
「じゃあ行くよ~。『
明がそう言うと、私と明の体が空中へ、ふわふわと浮いた。これは、体の制御が難しいな。分からないけど、これが無重力って感じなのかな。
「おっとっと。『
おお、安定してきた。でもまだ制御が難しいな。で、私の体だけじゃなくて、明の体も安定させてっと。体全体を包むように。
「明、これで良い?」
「うん、大丈夫だよ。」
「ナイフ手元に出すから、気をつけてね。『
今出せる限界は大体四本位までだから私と明の両手に一本ずつ出した。うー…この時点でだいぶキツいわね。キャパオーバーしそう。もし外したら気流を作って当てようと思ったけど無理そうね。
「じゃあ、どんどん投げてね。外したら私がまた作るから。」
「分かった。ていっ!ていっ!ていっ!ていっ!」
「はっ!はっ!はっ!はっ!」
「やっぱ、まだまだ狙いが悪いわね。こういうの若者っぽく言うとなんだっけ?えっと確かエイムがガバイだっけ?」
くっ、先生喋っててムカつくわね。でも私達の技術がまだまだ未熟なのも事実。っていうかガバイってどこだよ。それを言うなら「ガバい」でしょ!ああ、もう全然当たらない。
「ダメね貴方たち。まだまだガバイよ!じゃあそろそろ反撃させてもらうわね。私のはガバイじゃないわよ。『
先生がそう言って振りかぶって投げるような動作をしたと思ったら突然空中で何かが破裂するような音がした。その音に驚いて、私達は思わず「「キャッ!」」と悲鳴をあげてしまった。そして、その表紙に風の制御を、誤ってしまった私は自分たちを体育館の壁にぶつけてしまった。
「まだまだね。とりあえず投げナイフの扱いの練習から始めるわよ。」
※※※※※※※※※※※
僕達は生徒会長の秋宮先輩に連れられて、秋宮先輩の家へと車で向かっていた。道中は初対面の秋宮先輩に緊張している日与理に秋宮先輩が一方的に話しかけるというのがずっと続いていた。
「着きました。才理お嬢様。」
「ありがとう、爺。降りて、ここが私の家よ。」
「おお、ここが。」
目の前には何もなかった。そう、何もなかった。目の前に広がっていたのは昔は家が建てられていたであろう草がおおい繁った土地が広がっていた。
「帰ってきたわ!」
秋宮先輩が空き地に向かってそう言うと、まるで舞台の幕が下から上に上がっていくように何もなかったところに豪邸と、それを取り囲むように柵が出てきた。
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