第31話

銭湯に行ったあと俺達は家に帰ってきたあとすぐに寝てしまった。それこそ文章にするものがないくらいすぐに寝た。そして、翌日。朝起きたあと皆お礼を言ってすぐに家に帰った。流石に朝御飯までお世話にはなれないらしい。


そして、土曜日のお昼頃にメールが風花から送られてきた。


『学校で伝えるのめんどくさいから、家でお姉ちゃんに宿題のことを伝えたら、日曜日の午後1時に学校前に来て欲しいって。』


どうやら風花が良い仕事をしてくれたらしい。日曜日に学校前か。めんどくせー!



※※※※※※※※※


そして、日曜日の午後1時。俺達は学校前に集合していた。


「風花ちゃん、本当に学園長から何も聞いてないの?」


「うん、そうなんだよね。」


「あの学園長は…」


「一昨日も何も言えずに帰されたよね。」


「まあ、気長に待ってようよ。」


風花が言うには声先生に何も言われずにとりあえず集めて欲しいとだけ言われたほしい。相変わらずあの先生は説明が足りないな。そして、俺達が話していると、ちょうど声先生が来た。


「ごめん、ごめん手間取っちゃって、遅くなっちゃった。」


「手間取った?」


「うん。それでは今から君達の師匠を紹介するよ。」


「「「「「え?!」」」」」


「それじゃあまずは明ちゃんと風花ちゃんペアの師匠だよ。」


そう言って、声先生が指をパチンと鳴らすと俺達のうしろから「あーい。」という声が聞こえた。俺達は声が聞こえた方向に振り向くとそこには俺達が知っている人物が立っていた。


「えっと…師匠やることになった1年A組担任の球子です。」


「球子先生です!パチパチパチ!じゃあ次は日与理ちゃん走くんペアの師匠はこの人!」


そして、また声先生が指をパチンと鳴らすと、上から何かが落ちてきた。そして、大きな音をたてて着地した。そこには、また俺達が知っている人物が立っていた。


「どうもー。生徒会長の秋宮才理だよ。よろしくねー。」


「以上が君達の師匠だよ。」


「お姉ちゃん急すぎ!」


「先生が師匠、楽しそうだね。」


「おー、生徒会長だ。」


「え、初対面…」


四人とも自らの師匠を前にして各々のリアクションをしていた。そう、四人とも。

この中に一人師匠がいないのにお気付きだろうか。


「あのー、俺の師匠は?」


「いないよ。」


「Who is my sisyou?」


「You don't have sisyou.」


「Oh no…」


どうやら俺に師匠はいないらしい。やったね環。厳しい厳しい訓練が僕にはないよ。やったね。


なわけ、ねえだろうがーーーー!!!

俺も師匠欲しいよ。俺も師匠と修行して試合で、

「環、その技すごいね。」「師匠に教えてもらったんだ。」みたいなやり取りしたかったー!何で?何で俺だけ師匠いないの?俺だけ自主練習?いやだーー!


「というわけで早速皆には修行をしてもらうよ。環は校庭を使ってね。」


「明と風花は体育館でやるよ。」


「走くんと日与理ちゃんは私の家でやるよ。」


こうして俺達の修行は、唐突に始まった。


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