第28話

「では、今から会議を始める。議題は新入生大会の戦略についてだ。司会進行こと主人公はこの俺来栖環が...」


「ふざけるなっ。」


「痛っ!」


俺がせっかく真面目な会議を演出してたのに。全くこの女子は。さっきまで姉さんにガチ恋してて、意識がどっかいってたくせに。俺がそこまで考えた瞬間ゾワリと悪寒が走った。

これは殺意!一体誰が…

目の前には俺を睨む風花の姿があった。あいつ姉さんに関してのことに敏感過ぎないか?!


「じゃあまずは私と明の戦い方について考えようかしらね。ということで、私の能力について説明するわ。能力はwind《風》レベル3。半径20メートルの風を操れる。他には、風を固めて、見えない武器を作ることができるわ。だけど…」


風花はそう言ってから少し間を開けると自嘲気味な声で続けた。


「固めれるのは10立方メートルだけだし、自分以外の体内にも干渉できないわ。」


いや、強くない?何で自嘲気味な声出してんの?というかA組の時点で強いか。


「じゃあ次は私だね。私の能力はlight《軽い》。レベルは4だよ。できるのは、質量を極限まで小さくできることかな。ゼロにはできないけどね。だって質量ゼロって存在してないし。あ、ちなみに対象にできるのは生き物の場合は3つまでだよ。」


なるほど、聞いただけだとそこまで強くなさそうだけどよく考えるとえぐいな。だって軽くされて浮いたら身動き取れないもんな。


「とりあえず今思い付いたのは、相手を軽くして吹っ飛ばすとかかな。環と日与理は?」


「俺は風の武器を二人に持たせるのかな。風の武器なら、いくら壊されても戻るしね。だから持つなら、遠くから攻撃できる投げナイフとかかな?」


「ねえ、風花。自分の体内には干渉できるんだよね。」


「うん、そうだよ。」


「じゃあ風で気流を作って、肺の空気の交換を能力で代用したら、無呼吸でもしばらく最高レベルのパフォーマンスを再現できるんじゃない?あとは、風で自分の動きをサポートして早く動くとか?」


な?!天才か!?それに風で気流を作れるなら、ワ〇ウみたいに神〇嵐ができるのかいや、あれは体の構造がそもそも違うから無理か。


「うん、できるかも。でも体への負担が強くなりそうだから長時間はできないかな。」


「それって某海賊マンガのギアセカ〇ドみたいなこと?」


「なんか違くない?」


ここまでの会話を、整理すると相手を吹っ飛ばして勝つ方法。風の投げナイフを永遠に投げ続けてる手数で勝つ方法。後はもしものときの…


「あ!もし、それが出来るならその状態の風花の名前をつけようよ。ギ〇セカンドみたいに。」


「いいね、それ格好いい。」


「ええ…恥ずかしいよ。」


「いや、名前をつけてくれた方が私も試合中分かりやすいから。」


「私もつけた方が良いと思う。」


「はあ、分かったよ。じゃあ適当に《限界突破リミットブレイク》で。」


「え~、そんなありきたりなの「いいの、これで!」


くっ、しょうがない我慢するか。

理を超えし者ゴッドブレイカー》の方が絶対に格好いいのに。


「じゃあ次は僕達だね」

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