狭間の話

お姉ちゃんは、とても綺麗な人だ。五年前にお父さんとお母さんが死んだとき私は絶望の中にいた。しかし、お姉ちゃんがそこから私を引っ張り出してくれた。お姉ちゃんも辛かった筈なのに、私を助けてくれた。お姉ちゃんは、とても強い人だ。

そして、お姉ちゃんはそこから、女手一つで私を養ってくれた。

私の将来の夢はお姉ちゃんみたいに強くて綺麗な人になることだ。


しかし、約一年前。お姉ちゃんはいつものように仕事に行った。そして、いつものように帰ってくると思ってた。だからこそ信じられなかった。


゛お姉ちゃんが死んだ ゛なんて…


「お気の毒に…」「まだまだ若かったのに」「こんなに小さい妹を残して…」


うるさい…


「あんなに強かったのに」「辛いよね…」「可哀想に…」


うるさい!そんな言葉を聞きたいんじゃない!

私のお姉ちゃんを殺した通り魔はまだ捕まらないの?!何で?!

通り魔を捕まえれない警察が許せない、気休めにもならない言葉をかけてくる周りの大人が許せない、許せない許せない許せない許せない許せない!私のお姉ちゃんを殺した通り魔が許せない!

目の前が真っ赤になっていき、頭の中が怒りでいっぱいになった。



次の日。昨日の怒りが嘘のようだった。胸の中に穴があいたみたいだった。

『20代女性が、勤務先からの帰り道、何者かに刺され、死亡しました。』


お姉ちゃんの死亡を淡々と告げるニュース。私はそれを見て思わず涙を流した。

お姉ちゃんは、こんなにも小さい存在なんだ。お姉ちゃんの死を気にも止めない。

私はそこから毎日、ただ無気力に過ごした。しかし、私はまだあの通り魔への復讐を諦めていなかった。もしもアイツが捕まっていたら、私は死んでいたかもしれない。アイツへの復讐だけが私の生き甲斐だ。

だから私はそいつに勝つために言英学園に入学した。生憎、クラスはBだったが、私の能力のletterとgiveは、サポート向きなのでしょうがない。

入学して早々に目立っている三人組がいるみたいだが、私はそれよりもアイツの情報が欲しい。


そして、私のもとにアイツに復讐するための絶好の機会が訪れた。






こいつらについていけば復讐できるかもしれない。

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