第22話
白い少女が消えたことで、周りは再び喧騒に包まれた。
「ねえ、もう行くのやめよ。これ以上間違えるとさらに評判悪くなるから。」
風花は非常に不服そうにしながらそういった。だが俺にはまだ希望があるためでその提案を呑むわけにはいかない。あの白い少女の言う通りならば、俺達は新聞部の部室に辿り着ける筈だ。
「いや、もう一度だけ今日の放課後行ってみない?風花。」
俺はそう言いながら天城と軽井さんに一緒に頼むように目配せをした。天城と軽井さんは少し悩んでいたが、その後一緒に「ねえ、風花ちゃん後一回だけ行ってみない?」「そうだよ、風花さん。まだ諦めるには早いよ。」と、風花に頼んでくれた。そして、その甲斐があり、何とか風花も承諾してくれた。
そして放課後、僕たちはいつも通り、新聞部だと思われる部室の前に来ていた。
「じゃあ、開けるよ。」
俺がそう言うと、三人とも覚悟を決めた顔で頷いた。
ガラッ!
「来たぞ、新聞部!」
扉を開けると、中には二人の男子がいた。一人は首からカメラをかけており、もう一人は前髪で目が隠れていた。部屋の中は、電気がついていないため暗く、そして、男子二人は驚いた顔をしていた。
「な?!お前達、何故ここに来れた?!」
「あ!その反応。ということはやっぱりあんた達がなんかしてたのね!もう我慢できない…!ここで殺る…!」
風花がそう言うや否や、新聞部の男子らしき二人は驚きながらも悪びれる様子はなかった。そして、男子達は自己紹介を始めた。
「クックック…ばれたのなら仕方ない。俺の名は
「
「そして僕は
あれ?二人だと思ったが中には三人いた。どうやら、もう一人の男子は小柄で気づかなかったらしい。それにしても、最後の一人めちゃめちゃ可愛い。いわゆる男の娘というものだろう。
「新聞部…今までよくもやってくれたわね…」
「この俺の怨み、どう晴らしてくれようか…」
「僕もすこーし頭にきてるかな。」
「私もちょっと怒ってるかも…」
環達四人は圧倒的な怒りのオーラを放っていた。それはもう四人の背後がまるで夏の陽炎のように揺れて見えるぐらいには。そしてその四人の怒りのオーラを直に受けた新聞部の三人だが、探李以外はものともしていなかった。
「さて、新聞部の皆さん。当然あの掲示板のデマは消してくれるのでしょうね。」
「そしてさらにその情報が嘘だったとちゃんと発表するんだろうな。」
「勿論さ!但し、俺との勝負に勝ったらな!」
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