第20話

彼女の右腕の袖の下が光ったかと思うと、彼女の周りに何かのスクリーンのようなものが複数出てきた。彼女はその間目を閉じウンウンと少し唸っていた。そして、10秒程経つと彼女の周りのものがなくなり、右腕の様子も元に戻っていた。


「なるほどね。誰が書き込んだか分かったわ。」


「本当ですか?!」


「ええ。まあ、予想通りと言ったところかしら。犯人は新聞部ね。」


「ああ、あそこね。」


どうやら新聞部が今回の件の犯人だったらしい。しかも秋宮会長と相生副会長の反応から見るに有名らしい。


「あの、新聞部が犯人なんですか?」


「そうよ、風花ちゃん。あそこは今までも色々やっててね。出来たら今すぐにでも廃部にしたいんたけど…」


「あそこは妙に生徒からの人気が高くて廃部にできないんだよね。部員数は三人と、少ないんだど。」


「とにかく、新聞部に行けば、この書き込みを消してくれますかね?」


「うーん、それは難しいと思うな。あそこの人達ちょっと変わってるからね。それに他の生徒との交流なんてほとんどゼロに等しいからね。普段学校でも無口だし。」


まあ、確かにこんな内容を書く人達が一般人なわけないよな。しかも話を聞いていると、生徒会ですら苦労してるらしいし。俺たちにこれ何とかできるのか?


「うーん、どうしよう…」


「まぁまぁ、風花ちゃん。私も手伝うから消してもらうように頼むだけ頼んでみようよ。」


「軽井さんの言う通り、やれるだけやってみようよ、風花さん。」


「そうそう。諦めるにはまだ早い。」


「うん、分かった!じゃあ明日の放課後、新聞部に行こう!」


「よし、よく言った!じゃあ親切な生徒会長が新聞部の人達の能力を教えてあげよう!あの人達の能力はね…」




そして、三人が去った後の生徒会室。そこでは、生徒会長の秋宮才理と副会長の相生怜香の間でとある会話が行われていた。


「それにしてもびっくりしたわ。いきなり学園長の声が聞こえたと思ったら三人の頼みを聞いてあげなさい、だもんね。」


「そうですね。しかも頼み事の内容まで正確に当ててきましたね。」


「本当、学園長の能力ってvoice《声》のはずなのに。私達が知らない能力でもあるのかな。未来予知とか。」


「当たっているかもしれませんね、それ。」


それを聞いた相生は案外否定をせず、むしろ肯定的だった。そして、冗談半分で否定されると思って言った秋宮はその言葉を聞いて驚いた。


「やっぱり学園長はまだまだ私達には推し量れないわね。」


「そうですね。」




そして、場所は変わりここは新聞部の部室。そこでは、電気がつけられておらず、暗がりの中で三人が話していた。


「彼女達、僕たちが書き込みをしたって突き止めたよ。」


「へぇー、意外と早かったね。いや、副会長の相生怜香がこの学校にはいるから案外妥当な時間なのかな?」


「部長、フルネーム呼びキモいです。」


「な?!貴様、ただの部員の癖に生意気だぞ!」


部長と呼ばれた首からカメラをかけた男はその発言をした前髪で目が隠れた男に対して下に見た発言をしたが、その輪の外にいる背の低い男は慣れたもだと言うように一連の流れを見ていた。

そして、この口喧嘩は下校時間のギリギリまで止まらなかった。

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