第17話

そして昼休み。俺達は軽井さんに新入生大会の勧誘をするため、彼女が弁当を食べ終わるのを待っていた。


「あ、環、天城くん。軽井さん食べ終わったみたいよ。」


「分かった。よし、行くか。」


俺達は彼女がお昼ご飯を食べ終わったのを確認し、彼女の席へと向かった。軽井さんは茶髪のショートでどこか少し眠たげな目をしているためか、ふわふわとした印象の人だった。


「ねえ、軽井さん。少しいいかしら?」


「あ、風花ちゃん。どうしたの?それに来栖君と天城君も。」


「名前覚えててくれたんだ。ありがとね、軽井さん。」


「うん。だって三人とも凄い不良だって有名だからね。」


「「「え?!」」」


俺達三人が不良?入学式直後にアナウンスで呼ばれたのが原因か。いや、だとしても広まるの速すぎだろ…


「ああ、えっと…そのことについても少し話したいから、ちょっと廊下に来てくれるかしら?」


「?うん。別にいいけど。」


俺は彼女が意外とすんなりとついてきてくれて驚いた。俺達三人が不良だと有名ならば少しは躊躇うはずなのに。


「あのね、話したいことって言うのは三ヶ月後に行われる新入生大会についてのこと何だけど。知ってるかな?」


「うん。知ってるよ。有名だもんね。」


「なら話が早いわ。私達と一緒に新入生大会に出てくれないかしら?」


風花がそう聞くと、彼女は軽く逡巡した後に

「別に、いいよ。」と、快く承諾してくれた。


「ところでさ、大会の練習っていつから始めるの?」


「それについて何だけど。僕達も今日知らされたばかりで、まだ詳しいことは決めてないんだ。だからいつでも連絡できるように皆で連絡先交換しとかないかな?」


何?!このイケメン流石だ。さらっと全員が連絡先を交換するの流れに持っていきやがった。さすあまだな。


「どうしたの?後は環だけだよ。」


「ああ、ごめん。」


「よし、これで連絡先を交換できたね。」


「うん、じゃあね。」


無事一人目の確保をできたし、連絡先も交換できたし、これでよし、と。ってあれ?なんか忘れてない…?


「ちょっと待ったーーーー!!!」


「うん、どうしたの?」


「あの、俺達三人が不良っていうのはどういうこと?」


「ああ、あれね。えっとこの学校の中でブラウザを立ち上げると、この学校の掲示板が見れるんだけど知ってるかな?」


「うん、知ってるよ。」


「私も、知ってるよ。」


えっと、確かあれだよな。学校説明会で言われてたやつ。うん。覚えてる、よし。


「「…」」


「やめてよ、その目‼」

2人してジト目で見てきやがって…。俺だってそのぐらいちゃんと聞いてるわ。それにしても天城のあんな目初めて見たな…中々に効いたぜ。


「でね、そこに書いてあったんだよ。えっと確か…

『能力二つ持ち!悪魔的甘いマスク 天城走!』

『学園長の妹!能力も見た目もレベル3 空野風花!』

『不良!来栖環!』」


「へぇー、そうなんだ。」


「見た目もレベル、3…」


「え、」


なんか俺だけダサいっていうかなんか適当じゃない?! ひ、ひどい…


「それで二人とも不良の来栖君と仲良さそうだから三人とも不良なのかなって。」


なるほど、これは中々にクオリティも内容もひどい…

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