第16話
やっと教室についた。この学校広すぎでしょ。
今の時間10時50分だよ… 11時の10分前だよ。
「じゃあ早く教室に入ろう。環、風花。」
「いや、待ってくれ。お前ら、ここに来るまでに誰か生徒に一人でも会ったか?」
「いや、会ってないよ。」
「私も。」
「ということは、だ。恐らくこの教室の中にはもう俺ら意外全員揃っている。だから俺らが今から入ると絶対に悪目立ちする。俺は根っからの陰キャだから目立ちたくない。だから…っておい風花引っ張るな‼」
「今更何言ってんの。新入生大会に出るって決まってる時点で目立つのは決まってるんだから。それにアナウンスで呼ばれてるから既に目立ってるしっ!」
ガラッ!
教室のドアが開いた瞬間教室の中にいる人達全員の視線がこちらを向いたのが分かった。俺はその視線の数に思わず体を硬直させた。こういうのは苦手なんだよな…。
「うっ…」
そのとき、背中に何かがぶつかった。俺が後ろに振り替えるとそこには俺より少し背が大きいスーツ姿の女性が立っていた。見た感じ、恐らく先生だろう。早くどかねば。
「お前ら早く席に着け。もうすぐ授業が始まるぞ、って言っても自己紹介だけど。とにかく席に着け。」
「「「は、はい。」」」
あの先生の圧に思わず圧倒されて席についてしまった。でもそのおかげで余り目立たずに席に着けたぞ。ありがとうございます、先生。
「よし、今から自己紹介を始めるぞ。」
自己紹介が終わった。自己紹介の時に全員能力を説明しろ的なことをあの先生が言っていたので新入生大会のこともあり、全員の能力を意識しながら聞いていた。ちなみに俺の能力を説明したときは全員微妙な反応だった。まあ、一見俺の能力って戦強そうに見えないしな。そして、あの先生は俺達の担任の先生らしい。
名前は
「お前ら誰か良さそうな人いたか?タッグを組むのに。」
「僕は見つけられなかったな。」
「私はいたよ。」
「へぇー、ちなみに誰それ?」
「
「ああ、あのlight《軽い》能力の人だっけ。」
軽井さんはキレイな茶髪で垂れ目の優しそうな人だった。ちなみに風花よりはあった。何がとは言わない。
「そう。その人。どうやって勝ったのかなって思って興味があって、近くの人に聞いたの。そうしたらね、相手の質量を極限まで軽くして、場外までふわふわーって飛ばしたんだって。」
「それがどうして良いと思ったんだ?」
「ああ、私と彼女の体重を極限まで軽くして、私が風を操って空中を自由に動き回るの。」
「なるほど、それは面白そうだな。」
最初はコントロールが難しくてうまくいかなそうだけど大会まで頑張って練習すればかなり強くなりそうだな。
「じゃあタッグの内の一組は風花とその軽井さん?って人で今のところ決定だな。」
「そうだね、じゃあ後で軽井さんに参加してくれるか確認しよっか。」
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