第18話
それにしても一体誰がこんな記事を書いたんだ?
掲示板は匿名だから多分誰が書いたか分かんないだろうし…それに学校への相談も出来ないだろうし。だって…
「環、この書き込み、学校に相談しようよ。」
「まって!それだけは絶対にだめ!」
「え、でも学校なら見つけてくれるよ。誰が書き込んだか。」
「それでもだめ!」
「でも…」
「まあまあ、天城。それぐらいにしといてやれよ。」
多分だけど、風花はこの書き込みについてなるべく大事にしたくないのだろう。風花だけ書いてある内容がかなり酷いからな。嘘か本当かは別にして。いや、俺はそんなこと思ってないけどね?!
「あの、お取り込み中のところごめん何だけど。それ学校に知られずにどうにか出来る方法私知ってるかも。」
軽井さんがそう言うとガシッと風花が彼女の肩を掴んだ。
「え!本当に?!どうすればいいの、軽井さん!」
「えっとね、私がどうにか出来るわけじゃないんだけど。確か副会長さんがそういうの見つけるの得意だった気がして。」
副会長さんか。確か入学式の時に秋宮会長の隣にいた人だよな。あの人ってネット関係強かったのか。
「分かった。ありがとう。軽井さん…!」
「え、あ、うん。どういたしまして。」
風花はその話を聞くとか軽井さんの手を握ってお礼を言っていた。軽井さんはその風花の先ほどまでとの違いに少し戸惑っているようだった。
「よし、じゃあ早速生徒会室に向かいましょう。」
俺は風花が直ぐに生徒会室に向かおうとするので首根っこを掴んで止めた。ふっ、さっきのお返しだ。
「ちょっと、何で止めるのよ!」
「もうすぐ昼休み終わるから。」
「なら放課後に行くわよ。」
「ダメだ。入学式の片付けが生徒会の人達にはあるかも知れないだろ。だから行くなら明日の放課後だ。」
「くっ、分かったわ。」
「というわけで、ありがとうね軽井さん。」
「いえいえ、そんな。」
そして、次の日の放課後。
「よし、今日こそ行くわよ!」
「おうとも!」
「環と風花めちゃめちゃ張り切ってるね。軽井さんも付き合ってくれてありがとう。」
「いや、もともと私が提案したことだからね。」
今日、風花だけでなく、環まで張り切っているのには理由があった。というのも今日一日環達三人は明らかに避けられていた。特に環は今日の休み時間、廊下を歩いていた女子とぶつかったときに無言でスルーするのれたのが心にかなり効いているのだ。
「よし、生徒会室に入るぞ。準備はいいな?」
コンコン
「どうぞ。」
「「「「失礼します。」」」」
「あら、話題の三人じゃない。そちらの方は知らない人ね。どうしたの?」
生徒会室に入ると中には秋宮会長と副会長の二人のみがいた。
秋宮会長は面白そうに、副会長は同情の目線を向けてきた。
「実は本日、秋宮会長ではなく、副会長の相生怜香さんに御用があってきました。」
「私にですか?」
「はい。あの、お二人もご存知だと思うのですが。掲示板の件についてなんですけど…」
「ああ、あの件ね。大体何を頼みたいのか分かったわ。私が誰が投稿したのか探ればいいのね?」
「あ、はい!そうです。」
「なるほどね。いいわよ。」
「「やったー!」」
こうして俺達は件の犯人に一歩近づくのだった。
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