第12話

「すいません、自己紹介が遅れましたね。僕の名前は天城走と言います。貴女の名前を教えて頂けますか?」


「あ、はい。あの、私の名前は空野風花と言います。」


「風花さんですね。よろしくお願いします。ところで環君、この子とはどこで会ったんだい?」


「ああ、俺が電車に乗り遅れたところを風花さんのお姉さんに乗せてもらったんだ。何でも、風花さんのお姉さん、ここの学園長らしいんだ。」


「へぇー。そうなんだ、凄いですね。」


「いえいえ、そんなことありませんよ。

お姉ちゃん家ではいつもだらだらしてるし…」


「それに妹の方も情緒不安定だし。」


「っ///それは言わないでった!!」


「痛い痛い。そろそろ入学式始まるから静かにして。」


「あ、ごめん。」


「ねえ二人共、最初は生徒会長の言葉だって。」


へぇー。ということはあれが生徒会長なんだ。

ここの生徒会長って女性なんだな。

黒髪ロングか。いけるな。それにしてもオッドアイとは珍しい。初めて見るな。それも黒と黄色か。カッコいいな…

それと、生徒会長の隣にいる人は… 多分副会長かな?


「新入生のみなさんこんにちは。私がここ、言英学園の生徒会長、秋宮才理あきみやさいりです。よろしくお願いします」


「生徒会長さん綺麗だね。」


「天城程のイケメンでもそう思うのか。そうだな、俺はそれよりカッコいいの方が強いと思うけどな。」


「そうかなー?私は来栖結様の方が…」


「あなた達、静かにしなさい。」


「「「すいません…」」」


はあ、風花のせいで怒られたじゃないか。全くもう困るな。もうちょっとこう、俺みたいに大人っぽくできないのかな。

あれ?あの先生どっかで見たことあるような…なんだっけ、ヤバい思い出せない。

あ!思い出した。あの先生、試験官の人だ。目の下の隈がなくて分からなかった。隈がないと意外と美人だな。


「最後に一つ大事なことを言います。」


え?最後に?もうそんなに時間が経ってたのか。相変わらず考え込むとすぐに周りが見えなくなるな。


「この場に実技試験に負けている人も来ていて不思議に思った人もいると思います。」


ああ。そういえばそうだな。全く気にしてなかったけど。俺も天城が合格した時正直驚いたからな。


「実は実技試験の結果は入学の合否には一切関係ありません!」


え!?そうだったのか。


「会長、その事については新入生は既にパンフレットで見ていたので知っています。」ボソッ


「え!そうだったの!?あ、ゴホン。とにかく実技試験の結果は入学の合否には一切関係ありませんので。では何に関係があるかというとクラス分けです。我が言英学園ではクラスを実力のある人から順番にA~Cに分けて、実力別に教育を行います。これだけ聞けば差別に聞こえますが、実力ごとに分けることで怪我の発生を抑えています。なのでこれについては予め理解しておいてください。それでは、新入生の皆さんの多大なる活躍期待していますね。敬具。」


「会長!それスピーチでは別に言わなくてもいいやつです!てか台本に書いてない事しないでください!」


この学園、生徒会長も学園長も残念過ぎないか?これでここ回ってるのか?大丈夫か?


「えっそうなの?!コホン、ではこれにて新入生歓迎の言葉とさせて頂きます。」


生徒会長はそう言って舞台の袖にはけていった。


「それではこれで入学式を終わります。新入生の皆さんは退場してください。」


え?学園長のスピーチは?

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