神の怒り
ここはンバホホ村。
自然がいっぱいのこの場所でなにやら問題が起こっているようです。
「長老、大変です!! 神様がお怒りになっています!!」
「なんじゃと?」
「神様から今すぐに生贄をよこせというお告げがありました!!」
「なんということだ……。で、今回はどのような生贄を所望か?」
「美しく若い女性をよこせと……。この村で一番の美女と言えば『ボンハ』です!彼女を差し出しましょう!」
「……」
「長老様?」
「この村に美しく若い女性などおらん! そういうことにしておけ!」
「なんと!? 神様に嘘をつくのですか!?」
「嘘はついとらん! もし問い詰められたら『わしから見たら全員ぶさいく』とでも言ったらええ!」
「そんな適当でいいんですか!?」
「代わりに赤子のメス猿でも与えとけばいいじゃろ! 人間かどうかも言っとらんからな! して、場所はどこじゃ!?」
「はい。『満月が盃に映えし海』とおっしゃっています。盃と言えば、隣村の『盃岩』のことでは? 雨が降るとその岩のくぼみに水が溜まって満月が映ります。その近くには海が広がっていて……」
「遠いし、森の中でええじゃろ!」
「本当にそんな適当でいいんですか!?」
「樹海も海じゃから大丈夫じゃ! そこで適当に盃に水を汲んどけばいいじゃろ! あいまいに伝えた方が悪い! 時間は!?」
「はい。満月が丁度真上に来る頃だと。直近でしたら……今晩です! もう1時間しかありません! 間に合いますか!?」
「仕方ないのう……さすがに行ってみるか……」
~満月の夜 盃岩にて~
「生贄を貰いに来たのに誰もおらんではないか。そこの人間、長老はどこじゃ?」
「ただいま樹海で赤子のメス猿と盃を交わしています」
「どうしてそうなった」
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