第2話 [覚醒]
「起きなさーい!」
「ううう……うるさい……」
朝、無理やりお母さんに起こされた。
昨日の予想が的中し、女の子の日である。
結構寝たと思うがかなり眠いし、起き上がるのもやっとなほど体がだるい。
(髪の毛は……めんどくさいから今日はいいや……)
いつもは三つ編みにしてるが、今日はそのままの髪型て行くことにした。
制服のリボンが紛失したのでつけないことに。そして少し蒸し暑かったからスカートも少しだけまくりあげた。
「行ってきまーす……」
重い体の状態で私は学校へ向かった。
「………あ、メガネ」
学校へ向かっている途中、いつもつけているメガネがないことに気づいた。
視界が少しぼやけるが目を細めれば問題ないだろうと思い、そのまま学校へ向かった。
学校につき、自分の教室のドアを開けた。
今までガヤガヤとしていたのだが、私が教室に入った瞬間シーンと静寂が訪れた。
そして一同がこう言葉を放った。
「「「「「誰……?」」」」」
なんなんだこいつらは。みんな揃ってドッキリしようってか?
構うのも面倒なので自分の席につき体勢を崩して仮眠をとることにした。
「な……なぁ…」
「……」
声をかけられたが顔を上げるのが面倒なので無視することにした。
「おいってば!」
「チッ……何」
私は嫌々顔を上げ、声をかけてきた男子の方に向いた。
「お前ってもしかして百合園……?」
「は? 何言ってんの。もしかしても何もそうに決まってんでしょ」
なんなんだ一体。
あれか? 私を無理やり起こしてイライラさせようという魂胆か?
私がこの男子に答えたら教室が再びザワザワとしだした。
「私、今眠いから。もう起こすなよ」
ギロッと睨み、そのまま再びふて寝をした。
「何あいつ、感じ悪ー」
「華織さんわからせちゃえば?」
「それ賛成!」
先生が来るまではずっと動かず、腹が痛くならない良い体制をキープしていた。
先生が来たら流石に寝るのはまずいので起き上がることにした。
〜〜
四時間目も終わり、弁当の時間になったので私のベストポジ(屋上)へ向かった。
ちょっかいをかけられると思ったのだが、流石にみんなが弁当を食べている最中に喧嘩が始まるのはよくないとでも思ったのだろうか、ちょっかいをかけられなかった。
そしてとうとう放課後。
予想通り陽キャたちが私の道を阻んで来た。
「ねぇ、あんた今日生意気すぎない?」
「いつもみたいに本だけ読んでなさいよ」
「あんたはぼっちがお似合いなのよ」
はーーー……だっっっる。
そう思った私はバッグを持ち、そのまま無視して帰ろうとしていた。
「ちょっと、無視すんじゃないわよ」
この陽キャグループのリーダー、美澄 華織に腕を掴まれた。
「あんたいい加減にしなさいよ……」
んー……。なんでメガネ忘れて髪を結ばなかっただけで絡まれなきゃいけないんだろう…?
効くかわからないけど、やってみるか……。
「あんた聞いて——うわっ!?」
私はこいつのの手を振りほどき、近くの壁まで追い詰めて思い切りこいつの顔の真横に手を当てた。
いわゆる壁ドンの状態になっていた。
「ちょ、ちょっとあんた……」
「いい? 私は今イライラしてんの」
今左手を壁につけているので、右手でこいつの顎をクイッとこちらに向けた。
そして私の口をこいつの耳に近づけて呟いた。
「次やったら……沈めるから」
「ひゃ、ひゃい」
脅しすぎたのか、その場に座り込んでしまった。
クラスメイトも見ていたので私はそそくさと退散した。
〜〜
「華織! 大丈夫!?」
「……」
クラスメイトが華織に話しかけていたが返事はない。
「華織……?」
「…………明日……百合園さんって呼んでみる!!」
「「「「「……は?」」」」」
華織は頰を赤らめ、目がハートマークになっていた。
第一の被害者である。
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