《第拾漆話》秘密

「そう言えば、北西遠征3日後だね。

やだな〜ザスレシル」



「あぁ、ザスレシルかぁ………

とにかく寒いんだよな、あそこ。

でも、今回の遠征で空軍基地3つを落とせたら、今後戦争を有利に進めることが出来るから、重要な一手になるよな」



「僕たちが唯一戦場に出て手こずる相手と言ったら、航空機だもんね。

地上では最強だけど、空は飛べないから……先にザスレシル地方の空軍基地を潰せれば、あそこ一帯はもう僕達の領土と言っても過言ではないよね」



「細かい作戦は追って各大隊長より指示があるか……何だよそれ。

多分、今回は奇襲作戦だな。

俺とカール、あともう一つの隊がそれぞれの空軍基地にセットし、同時に攻撃を仕掛けて殲滅。

これ以外に考えられない」



「それが1番効率的だね。

僕もそう思うよ」



「そう言えばさ、お前この後なんか用事とかあんのか?」



「武器開発科にちょっと顔出しておきたいな。

僕の使ってる《零式高電離気体プラズマ狙撃銃》、今メンテナンスに出してるからさ。

僕ってさ、コンクエストの能力簡単に言うと透明化、電波妨害みたいなもんだから狙撃とか向いてるんだよね。

だから、軍の武器開発科に要請したんだよ、ありえないくらい強い武器作ってって。

そしたら、零式プラズマ狙撃銃を開発科に渡されて、試しに撃ってみたら凄い威力でさ、それからは戦場に持ってってるようにしてるんだよね」



「俺の硬質化も割と強いけど、カールのも大概だな。

それ、もうチートじゃねぇかよ」



「そうかなぁ〜

僕もレオみたいに直接 敵と戦ってみたいなって思うけど……

こんな事言っていいか分からないけど、僕 いつも撃ってるだけで、つまんないんだよね。

敵もアリみたいに潰れてくしさ……

初陣の時は緊張してたけど、今はゆるゆるだよ。

レオはそんな事ない?」



「俺は直接 敵と戦うし、そんな事ないかな……

でも、最近は銃弾に当たっても、どうも思わなくなっちゃったな。

やっぱり、初心忘れるべからずだよな」



そう話しながら2人は武器開発科へ歩いていった。


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