《第玖話》事実
みんなは自分が《何のために生きるのか》《どうして生きているのか》考えた事はあるか?
俺は毎日考えてる。
普段暮らしている時は、親がいつも自分の面倒を見てくれるから、何のために生きるのか、どうして生きているのか、なんてものは考えないし、下手したらそういうのを一生考えないで生きている人もいるかもしれない。
戦火の絶えない日々を暮らしている、子供。
路上で倒れ込んだ、腐った大人。
日々、ゴミをあさって何とか1日1日の命を繋いでいる、人間。
《何故生きようとする?》
《なぜ自分から命を絶とうとしない?》
《死が恐ろしいから?》
誰もが《死》を知っているようで、誰も《死》を知らない。
銃弾が飛び交う戦場、山奥で自然と共に暮らす人、平和を手に入れ安心して暮らせるようになった国、これらの様々な地で生きている人々は、一見すると 戦場が圧倒的に《死》に近いと思われがちだが、そんなことはなく。
みんな等しく《死》と同じ距離にいて、常に首元に《死》が吸い付いている状態にある。
戦争で親を失くし、仇をとりたいから《生きる》。
好きな人とまだ一緒にいたいから《生きる》。
人それぞれ、心の中に目標みたいなものを持っているから《生きる》事に執着するのか?
自分の中に《生きる》という意味すら見い出せず、ただ のおのおと生きている存在は何なんだ。
人間の形をした《ニンゲンモドキ》。
いつの世にも、この《ニンゲンモドキ》は存在するし、世界のバランスを傾けてきた。
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結果から言ってしまうと、扉の向こう側は実験室だった。
ただその実験は異様で、人体実験が行われていた。
「うぅ、なんだよこれ、こんなの酷すぎる」
「想像してたのより酷いな」
ホルマリン液に浸かっている死体。
生きているか分からないくらいに、ぐったり寝込んでいる少女。
どこに目をやっても、目を背けたくなるような光景が続いていた。
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