第7話 ぼったくり
目が悪いので、巨大なデスクトップパソコンで読み書きをしている。今日もパソコンの前で、目のツボをマッサージしていたら、孫息子がやってきた。
「バアバ、どしたの?」
「目が疲れる」
「こいつを、自動で読み書きするように改良すれば? バアバの人格と能力レベルに設定して」
「……チューニング、とか?」
「多分、量子論。そっち系の専門書を読めばいいんじゃね?」
「……」
「五千円ちょうだい」
「は?」
「コンサル料」
集金マシーンを乗せたバイクの音が遠ざかる。
デカくて重いパソコン。
しみじみと眺めてみる。
時代劇を書けば、『減の上は、背後から今朝がけに霧かかり』と、迷変換する残念なこの機械。
一発で、『玄之丞は、背後から袈裟懸けに切りかかり』と出してほしい。
そうだ!
イケメンの介護ロボットを作り、読み書き機能もつければいい。
さっそく、試作にとりかかる。
第一号は、人体型にブロックを組み立て、吸着剤をスプレーしたぼろ布を手足に取り付ける。モーターをつけて、リモコン操作で四つん這いになって走り回るようにすれば、お掃除機能はバッチリ。
次は……。
寝たきりになる前に、急いで、多機能搭載アンドロイドを完成しなければならない。
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