第4話 連れ合い
連れ合い
相棒と喧嘩ばかりしている友人は、「あいつは元気の元」だという。仲が良いほど喧嘩するというたぐいの、刺激こそが生きがいというカップルなのかもしれない。
「はっきり言って、金づる」というクールな友人もいます。それだけではないのでしょうが、お金のある夫は貴重な存在でしょうね。
さて、私の場合は、「家事の元」です。同居人がいなかったら、たちまち汚部屋となり、クリームパンとインスタントコーヒー、DVD三昧の日々になり、成人病へとまっしぐら。
* * *
運命は変えられるのか?
夫の妹が連れ合いを亡くした。
夫の弟も、何年か前に嫁さんを亡くしている。
あれ?
そう言えば、夫の両親に関しても、義母が先に亡くなっている。
そして、夫の父親は八人きょうだいで、六人は配偶者が先に亡くなっているのだ!
例外は、独身のまま十代で病死した次男。まだ、存命の末っ子は夫婦ともに元気。これは未決。
で、このように、高い確率で配偶者を失うという家系の夫を持った私は、やはり彼より先に逝く運命なのだろうか?
今のところ元気だし、美人ではないので薄命には当たらない。容姿だけでなく性格も悪いので、「憎まれっ子世に憚る」という諺に当てはまるのではないだろうか。
逆転できるかもしれない。
* * *
母の一行日記
母は一行日記をつけていて、私は時々、こっそり読んでいた。父がなくなり、葬式の翌日、母は『今日からが、わたしの新しい人生』と書いていた。なにか始めるのかと思ったが、それまでと同じように淡々と家事をこなし、二年半後に逝った。
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