提案

「これは魔術か?」

「いえ、これは大地の精霊の力を借りてるだけですよ」

「なんですか?この現象は!?」

ルィーは興奮した様子で樽へと近付き

「おい、ルィー落ち着けって」

シャラはルィーを引き摺って

樽から離した

「これは何をしてるんですか!?ズィーさん」

ルィーはズィーに顔を近付けた

「これは大地の精霊頼んで、樽を地中に埋めてるんじゃよ」

「精霊魔法ですか!?」

「精霊魔法とは少し違いますかな、私達はただ精霊にお願いしておるだけじゃよ」

「なるほど、シャラ離して貰いませんか?」

「おっ悪い悪い」

シャラは手を離すと

ラスーがルィーに近付き

「それよりルィー」

ルィーは樽を見ながら

「何ですか?ラスーさん」

「ポケットに入っている物を出せ」

ルィーはポケットを押さえながら

「なんことですか?私にはわかりません」

ラスーはアイアンクローをしながら

「〈導きの石〉を出せと言っているんだよ」

ラスーの手を外そうとしながら

「痛い!痛いですよ!出しますから離してください!」

ラスーは手を離し

「さっさと出せ」

ルィー不満そうな顔をしながら

〈導きの石〉を差し出した

「たく、こいつは」

ラスーは奪い取った

それを見ていたズィーが

「よろしければ、もう一つ差し上げましょうか?」

ルィーはズィーに近付き

「良いんですか!?ズィーさん」

「良いですよ、帰りにでも渡しますね」

ルィーは頭を下げ

「ありがとうございます、ズィーさん」

「頭をあげてください」

ルィーは頭をあげた

「皆さんはこの後どうしますか?樽が沈むまでまだまだ掛かりますが」

樽を見てみると少しずつ沈んでいた

「私はここに残って、ズィーさんの話を聞きたいです」

「私は良いですよ、皆さんはどうですか?」

「オレはどこか体を動かせる場所があればいいんだが」

「体を動かせる場所ですか、ならミン、ムゥ」

ズィーが大声で呼ぶと

二人の少女がズィーの元へとやってきた

「お呼びですか?お爺ちゃん」

「呼んだ?お爺ちゃん」

「二人は私の孫で長い髪の方は姉ミンで短い髪の方は妹のムゥです、この方を主様ぬしさまの元へと案内してもらえるかの?」

「わかりました、初めまして私はミンと言います」

ミンはスカートの裾を持ち

軽くお辞儀をした

「私はムゥだよ、よろしくね」

「おう、オレはガリュウだ」

「ガリュウさんですね、ご案内致します」

ミンがそう言うと

二匹のリスが現れ

ミン達が乗ると歩き出したので

その後をガリュウは付いていった

「さて、お二方はどうしますか?」

「そうだな、シャラはどうする?」

「俺はラスーさんに任せますよ」

キャルに乗ったポルクがラスー達の前に現れ

「だったら、僕が村を案内しますよ、良いですよね?村長」

「そうじゃの、お二方はそれでよろしいですか?」

「あぁ、良いぜ」

「俺も大丈夫ですよ」

「では、付いてきてください」

ポルクはキャルに乗りながら前へと進んだ

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