兄妹
「やべー、俺今年もチョコ0個かもしれない!!」
そういって、自分たちが下りる駅のホームで小学校のころから仲の良い友達が叫んでいた。
「そういう性格だからもらえないのよ」冷静に、突っ込みを入れる家が近い女子友達。
そんな元気な二人と別れて今日はバレンタインだなって思いながら家の扉を開いた。
よく思い出せば昨日の夜、妹がキッチンで何かをしていた。
まぁ、いつも通り俺には何の変化もないんだって思いながら自分の部屋へ入った。
ふと、机の上に目をやると中が透ける小さなビニール袋が置いてあった。
何だろうと思いながら、中を見てみると少し不格好なマカロンが入っていた。
ほう…?
不思議に思いながら、袋ごと手に取ってみるすると、袋の下に置いてあった紙に気づいた
そこには、「キャラメル」とだけ書いてあった。この字体から見るに犯人は妹だなと思った。
袋の封を開け、中身を取り出し一つ口に運んでみる。
見た目は悪いが、味はとてもよかった。妹の好きなイチゴ味だった。
俺は、妹の部屋へ行きそっとノックをした。中から聞きなれた声で「なぁーに?」と聞かれた。
「何か欲しいものあるか?」
「んー、お兄ちゃんと料理したい!!」
バレンタイン hukuro- @kakeru7482
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