職場
「高松さんいつも、ありがとうございます」
とてもやさしい声色と共に、私のワークデスクの上に紙袋が置かれた。
紙袋のロゴを一目見ただけで、分かるほどのブランドの物だった。
「ありがとう」その言葉と共に、振り返った。
彼女は、明るい笑顔を向けて立っていた。
家へ帰り紙袋を開けると、某ブランドのチョコレートのケースが入っていた。紙袋の中から
ほんのりチョコレートの香りがしてくる。中からケースを取り出すと、紙袋の底に一枚の
携帯用のメモ帳ほどの大きさの紙が入っていた。なんだろうと思いながら、それを取ってみるとそこには、綺麗な字で{来週の土曜日空いていますか?}と一筆書いてあった。
(吉野の字だな)と一瞬でわかった。来週の土曜日は空いていたかな。慣れた手つきでスケジュールアプリを開いた。土曜日は特に用はなく唯一あることとすれば、仕事の資料の期限日だった。
特に何もなかったので、とりあえずそのことを彼女に伝えるためにメッセージアプリを立ち上げ
彼女へメールを送った。
土曜日の15時に駅前の噴水の前で待っていてくださいと言われて今に至る。
会社の制服をすらも着こなす彼女が、白をモチーフとした服で駆け寄ってきた。
その日の夜、告白された。♥
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