第10話 火薬と便所 (Side エルザ)

 ウ・・・ス・・

 エルザっす(-_-メ)



 マジか?マジっすか?



「その昔、トイレの床下の土を集めて灰汁と煮ることで硝酸カリウムを作っていたそうよ・・・」

 藤島さん・・・マジっすか?

 私だってそんなの嫌っすよ。


「「それだ!!」」

 田中と吉岡、嬉しそうっすね。

 そんな方法、ほんとにやるっすか?


 あぁ・・・出て行っちゃった・・・



「もう一度言うけど、私は絶対にやらないからね!」

 私もやらないっす。



 その夜、隊長に電話で話したっす。

「隊長~~。なんか、トイレの土から火薬の材料を取るって言うんすけどマジっすかね?できるんすかね?」

「あぁ・・・無理だね」

「マジっすか」

「あれは、湿度の高い日本だからできるんであってカルマン帝国のように乾燥したところじゃ無理だろ。それに日本でも何年も発酵させたはずだ」


 じゃあ、あいつらがやってることって全くの無駄っすね。

 バカだね~


「あちゃ~~、それじゃあダメじゃないっすか。火薬は作れないっすね」

「いや、カルマン帝国なら普通に鉱山から取れるだろ」

「は?」

「確か、心臓の薬とか増血剤に使われてる」

「マジっすか?」


 屋根の上まで届いてくる悪臭。

 じゃあ、あいつら何のために苦労してるんだか・・・


「まぁ、薬の保管庫を探すんだな」


 隊長の言う通り、薬の保管庫に忍び込んで白い粉を拝借したっす。

 ふつうにたくさんあったっす。

 

 かわいそうだから・・・裏庭の悪臭がする鍋にも投げ込んでやったっすけど・・・

 二度と近寄りたくないっす。





 屋根裏部屋にすべての材料を持ち込んで作業開始っと。

 でもって・・配合の比率は・・・


 スマホって便利っすね~

 検索したら、詳しく書いてあるサイトがすぐ見つかるっす。

 もうスマホなしでは生きていけないっすね。


 あ、、、

 夜のうちに屋根の上に設置したソーラーパネルにモバイルバッテリーつないでおかなきゃ!! 






 エルザは毎晩爆薬を作っていく。

 そして、夜のうちに建物のあちこちに隠していった。


 そして・・・最後に作ったものを・・・あるところに仕掛けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る