ジョーズなJK ~The sharks weared JK~
プール併設の女子更衣室で、アキはため息交じりにブラを外した。見回してみても洒落た水着ばかりだ。対して自分はスクール水着。こんなはずじゃなかった。
バン! 背中を叩かれ振り向くと、
「アキも単位落とした!?」
級友のジョイが横ピースを決めていた。クラス一の陽キャでバカだ。
アキは首を横に振る。
「違う。巻き込まれたの」
「巻き込まれた? 何に? レイヴパーティ?」
「今どきそんなのやってる人いないって」
苦笑し、諦めてスク水を着ようとパンツに手をかける――が。
「アキ!」
鋭い声にアキは肩を落とした。
「アンタのせいで私まで学校に来るハメになったじゃない!」
隣のクラスの
「さ、サラがノートを写すんだから、あ、あ、あ、アナタが変えないと!」
「なんでアタシが」
言って、アキはストンとパンツを落とした。気づけばジョイの姿がない。面倒になるとすぐ逃げる。友達甲斐のない奴。
「アンタは、私の、道具なの! 下僕なの! 下等生物は黙って従ってろ!」
そうサラが吠えると、マリがそーだそーだと続いた。うざ。アキは手早くスク水に着替え、ダサッ! という罵倒を背に受けプールサイドに立った。
肌を炙る太陽。焼けた床。日焼け止めは禁止。
ぬるり、とアキの首に腕が絡まる。守ってない奴がいるなら
「大変だねぇ、アキも」
当然のジョイ。
「目の保養だと思って諦めようよ」
視線の先には競泳水着にパーカーの新任教師ニッキ。なんでニッキかは知らない。
アキは腕を外した。
「そっちのケはないって言ったでしょ?」
「えー?」
鋭く響くホイッスル。
「そこ! じゃれてないでプールに入って!」
口調とは裏腹に笑顔のニッキ。生徒の人気も頷ける。
――と、木陰に、寂しげに座る級友が。
「……アキも世話好きだよねぇ。ああいうのが趣味?」
「違うっての」
アキは木陰の生徒に近づく。
「ハイ」
ビクッと顔をあげるゴス。あだ名だ。
「は、ハイ……」
「なんか変わった水着だね」
「……別に」
そっぽを向くゴスの隣に腰掛け、アキは水着を撫でた。びくりと跳ねる背中。
「うわ。ザラザラ」
「……サメハダ水着」
「なんでサメハダ?」
「別にいいじゃん……単に――」
ゴスの声をかき消す、
「キャアアアアアアアア!!」
甲高い悲鳴。プールが真っ赤に染まっていた。
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