第29話 終活は、疲れる。就活詐欺っていうものも、あるからね!人材不足の就活なら、良かったのに?まあ、人生のことだから、しっかりやろう!

 休眠口座の話でわかったように、同じ家族であっても、世代によって、ずれがある。

 「終活が、心配だ…」

 終活…。

 それは、就職活動のことではなく…人生の終わりのための活動のこと、だ。遺産について考えたり墓を準備するのも、終活。

 人の死を考えた活動の支援に取り組む自治体が、増えつつあった。

 役所レベルでも、生活に困窮する高齢者にたいして葬儀会社を紹介したりして契約を結んでくれる事業がはじまってきた。

 専門家が、遺産から遺品整理にかかる相談のあれこれに乗ってくれることになった。

 「終活コンシェルジュ」

 連絡先などを役所に登録すれば、希望の墓地情報を知らせてくれる。

 「墓地まで、ご案内いたします」

 最先端の、送迎サービスだ。

 「それでは、参りましょうか…」

 コントでは、ありません。

 「次は、墓探し。墓探しを、しなくっちゃならん。終活も、大変だ」

 世の中には、終活詐欺というものがあった。

 気を、付けたい!

 終活詐欺とは、こんな詐偽。

 「葬儀会社から言われるがままに、戒名料を支払った」

 「ええ」

 「それが、高額。でも、人の死っていう大切なことだから、ついつい、支払ってしまった」

 タナカの母の、友人の話。

 後で、菩提寺の僧から聞いたところによれば、こう。

 「我々の寺の僧は、通常、戒名料などはいただいておりませんよ」

 「え?高額な戒名料を、支払いましたよ?」

 「その人は、寺院の人でしたか?」

 「違います」

 「専門家、でしたか?」

 「さあ?インターネットで、依頼しましたが…」

 「…残念ですが」

 「はい?」

 「詐欺だと、思われます」

 後日、インターネットの掲示板から、相手に連絡を送った。が、返事はなかった。

 「この菩提寺に、頼めば、良かった…」

 ただし!

 院号を希望した場合に限っては、別料金をいただくことがあるという。

 「…終活って、大混乱」





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