第27話 私の願いが、叶いそう?「私が死んでも、社会の役に立てる!じいじとばあばたちの国に遺産を取られてまで、文句を言われたくないから」

 タナカ親子は、専門家の元に、出かけていった。

 「先生?遺贈寄付を、したいんです」

 専門家と、真面目に、向き合った。

 「ボランティア活動をされている場に、寄付したいと思います」

 「それなら、こちらに寄付されては、いかがでしょう?」

 専門家が、パソコン画面を、見せた。

 「わかりました」

 教師であったタナカの母に、迷いはなかった。

 「私の遺産は、すべて、この、教育関連のNPO団体に寄付します」

 寄付したい場所や法律手続きの専門家を紹介してくれる窓口が、各地にできてきた。

 遺言書がなくても、誰かに寄付できる仕組みを整えられるようにも、なってきた。

「先生?」

 「はい」

 「私の遺産は、すべて、教育関連のNPO団体に寄付します」

 「かしこまりました」

 「社会は、非常に、落ち込んでいます」

 「ええ」

 「いずれ、状況が良くなっても、リバウンドは大きいでしょう」

 「でしょうね。ゆ×りの刃、では」

 「教育を、整えなくては…」

 「そうだ!」

 「何でしょう、先生?」

 「タナカさんのご実家、大農家の土地を、有効に、使いましょう!」

 「…そうだ、そうですよね」

 「使えるものは、使いましょう!」

 「…はい。ああ、これで、私の畑も遺産も、すべて、希望の場所に寄付できるのですね!遺産相続なんかで、息子を甘やかさなくて、良くなります!」

 「お母様は、真面目なのですね」

 「遺贈寄付で、私の願いが、叶う!私が死んでも、教育社会の役に立てるでしょう」

 母親の、意地。

 「タナカさん?」

 「はい」

 「次は、ここに相談してみたら、いかがでしょう?」

 タナカ親子は、教えられた役所の窓口に、向かった。

 頼った先の事務所の専門家弁護士の名は、サワタリ。

 「法律相談所カタルシスの花」

 サワタリが所長のその事務所が、預金口座を解約して合算できた全財産の寄付を、代行してくれることになった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る