第24話 「ミルクで、乾杯。おめでとう!」さすがに、団らんっていう言葉は、わかるよね?文化は、変わっていく…。団らんって、どうなっていくのかな?
団らんの文化も、変わってきた。
かつては、めでたいときなどを中心に、皆が集まってTVや料理を囲むのは、ありふれた光景だったのに。
核家族化や高齢化などで、一同に集まること自体、珍しくなってきた。
「何だ、これ?」
とんがり屋根の建物が、目に入った。
「NPO法人ファミリアファミリー会」
クマダは、すぐに、農作業倉庫のようなその建物に、飛びついていた。
「ごめんください」
そこは、死別者や離別者がいて、様々な理由で団らん会話ができなくなってしまった人たちが集う場、だった。
「NPO法人ファミリアファミリー会」
その会で、改めて、団らん活動を学ぶことができたクマダは、立ち上がった。
「良し!見知らぬ人と、団らんを作ってみよう」
集まったのは、5人。
ときに、6人。7 人。
いろいろな家庭事情で、バラバラ。
若い子から、かなりの年上まで。
男女は、平等になるように、半々を、基準とした。
集まった人たちの中には、TV番組ばかり見ている人もいたし、ネットを眺めるだけの人もいたし、新しい料理作りに首ったけの人もいた。
料理好きの人は、集まっていた人々へ、しばしば、何かを作ってくれた。
「ミルクで、乾杯。おめでとう!」
こういう集まりがあっても、良いんだ。
団らんでは、気兼ねなく、意見を、ぶつけあえた。
「アンガーマネジメントの話は、面白い」
「歩いていて、相手にぶつけられたなら、怒ります。ただ、こちらが上機嫌だったとしたなら、どうでも良くなってしまうかもしれません」
「応援していた野球チームが勝って、気分良いときにぶつけられたときも、怒らない」
「ええ」
「前から欲しかったフィギュアのシークレットが出て、超ハッピーなときも、どうでも良くなっちゃうね」
「やだあ!」
「エッチだね!」
これぞ、団らん。
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