第22話 社会は、変わっていく。駅の伝言板も、連絡網も、死語ですか?「じゃ、じゃーん!」「こら。女の子は、エレガントに!」って、セクハラ?

 クマダの、思い出…。

 「おっつー。クマダ先生?」

 「おお、君か」

 元気な生徒も、いたもんだ。

 「君かじゃ、ないでしょ?」

 「ごめんよ」

 「もう!」

 「女の子は、強いな」

 「塾帰りに、先生に質問したくなったら、どうするの?」

 「君は、駅通学だったよね?」

 「早いよー。秒で、通学呼吸」

 「先生って、言ってくれないのか…」

 「何?とりま、敬ってほしいって感じ?」

 「ちぇっ。先生って、偉いのにな…」

 「何?超、意味わかんないんですけど」

 「君は、敬語とか、使えるの?」

 「敬語は、知ってるけどう…」

 「じゃあ、使えた方が良いよ?」

 「何で?」

 「使えないと、社会では、困ったことになっちゃうよ?」

 「そう?」

 「学校では、どうしているの?先生に、敬語は、使わないのかい?」

 「使わない」

 「どうしてだい?」

 「だって、学校の先生なんか、偉くないから」

 「…」

 「うちのクラス担任、新卒」

 「うーん…」

 「新卒、頭、悪すぎ」

 「…」

 「給特法とかすら知らない新卒が、先生になっちゃってるって」

 「給特法とかの言葉は、知っているんだ」

 「あたしのおじさん、先生」

 「なるほど」

「じゃ、じゃーん!」

 「こら。女の子は、エレガントに!」

 「クマダ先生が、セクハラ発言だ!」

 「悪かったよ」

 「私、エクレール!」

 「エレガントに、しなさいって…」

 「りょ」

 「…」

 「あはは」

 「…」

 「先生?息、してるー?」

 「しているよ」

 「ねえ、クマダ先生?質問したいこと思い出したら、どうするの?」

 「駅の伝言板にでも、書いておいてよ」

 「伝言板?」

 「それ見て、こちらから、かけ直すから」

 「伝言、板?何、それ?」

 「じゃあ、携帯電話にかけてきてほしい。連絡網は、生徒の皆に渡したよね?」

 「連絡網って、何?」

 「ごめんよ。メールの、アドレス帳だ」

 「じゃあ、そう言ってよ」

 「ごめんよ」

 「また、謝ってるし」





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