第21話 「私と、一緒になりたいんでしょう?」ズボンを、脱がされて…!「元気で、かわいいんですね。一緒に、お風呂に、入りましょうよ」まじか!

 「あ、まただ」

 遠い世界で、ツバキの頭が、震えた。

 「また、エッチ?やっぱり、きてくれたんですね?」

 「ええ?」

 「今度も、私が、お望みなんですか?」

 「またなのか?また、俺は、この店の中にいるのか?」

 「良いわ…」

 女性の白衣姿が、ほんのちょっぴり、怖くなってきた。

 フワフワなドキドキと危険は、隣りあわせ。

 「…」

 「お客様?」

 「はい」

 「今度は、クマダで、いかがです?」

 「クマダ?」

 …え、え?

 それも、講師仲間の名前だぞ?

 「このスマホも、きれいでしょう?」

 女性は、先ほどと同じように、ショーウィンドウの1つを指した。

 「う…」

 まただ。

 また、汗が、首筋を流れた。

 「あら、お客様?また、やっちゃったんですね…?」

 「…いや、その」

 「好き、なんですね」

 「ど…どうしたら、良いんだ?」

 「ほら、動かないで」

 ス、ス、ス…。

 彼女に、ズボンを、脱がされてしまった。

 「お客様?」

 「…」

 「元気なんですね…」

 「な、何が?」

 「…私と、一緒になりたいのでしょう?」

 「…うう…ああ」

 「お客様って、かわいい」

 「…」

 「お客様?一緒に、お風呂に、入りましょうよ」

 まじか!

 女性が、ツバキの手を引いた。

 「ほら」

 「…」

 「遠慮しちゃ、ダメじゃないですか」

 そのころ…。

 かつての講師仲間の1人、クマダは、こんな世界に、堕とされていた。

 「友愛のないヒューマニズム界」

 クマダは、迷っていた。

 「他人とのつながりって、何なんだ?」

 今や、コミュニケーションツールは、大発展。

 気付けば、かつてクマダがもっていた、あの高価だったPHSサービスは終了。携帯電話が出てきたかと思えば、スマホに代表される機器の全盛時代に、GO !

 「当店は、電子決済のみです!」

 店によっては、スマホがなければ、買い物もできなくなってきたようだ。

 駅の伝言版文化も、忘れられてきた。


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