第11話 女性も、知っておこう!育児の、ベビーカー問題!「男も育児をしろ」って言っていたのは、誰だったっけ?エッチを超えた、いやがらせ?

 結婚後は、厳しさの連続だ。

 スナガの子は、双子。

 スナガは、その双子を乗せたベビーカーを押して、闇の世界を歩いていた。

 「隣りの隣り町まで、買い物にいこう」

 バスターミナルに立っていた、スナガ。

 双子用ベビーカーのアーム部分を握り、汗をぬぐっていた。

 「よち、よち」

 「キャッ、キャ」

 「良い子たち、でちゅねえ。もうすぐ、バスがきまちゅよ」

 10人以上の人が、列を作っていた。

 「プシュー」

 何人かがバスを降りてから、乗車用の扉も開いた。

 問題は、次。

 スナガも、ベビーカーを押して、乗車しようとした。すると、自信たっぷりの声で、アナウンスが流れてきたのだ。

 「ご乗車、ありがとうございます。お待ちのお客様の中に、双子用ベビーカーをもってらっしゃる方が、いますね?それは、バスには乗せられません」

 はあ?

 子連れ生活、ピンチ!

 「え、何で?」

 他の乗客から、スナガに向けて、文句が出た。

 「何だ、この人?」

 「ベビーカーだわ」

 「邪魔」

 「わきまえろ!」

 「チッ」

 運転手が降り、列のほうにやってきた。

 「お客さん!邪魔ですよ!」

 「ええ?」

 「扉に、書いてありますよね?」

 スナガの顔が、青ざめた。

 乗車扉には、よく見れば、こう、書かれていた。

 「2人用などの大型ベビーカーは、他の客様にたいして、乗降の妨げとなります。危険です。ベビーカーをお持ちの方は、乗車は、ご遠慮ください」

 気分が、悪くなった。

 「通路がふさがれ、充分な安全が確保できなくなる恐れが、出ます」

 …バカな。

 納得が、いかなかった。自分たちバス会社のことしか考えていない注意としか、受け止められなかった。

 並んでいたまわりの乗車客から、ざわめきが続いた。

 「乗らないでって、言っているだろ」

 「わきまえられないのかよ?」

 「ダメ社会人だぞ」

 「…」

 どうする?



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