第10話 「あのう…。やっぱり、私が良いんですか?」 スル、スル、スル…。 女性に、背広を、脱がされて。ああああ。そのころ、スナガは…?

 「あれ?」

 ツバキの頭が、くらっと、震えた。

 「もう!エッチ、なんですね!」

 「…」

 「次は、何に、するんですか?」

 「…」

 「やっぱり、私が良いんですか?」

 女性は、相変わらず、白衣姿で。

 「…」

 エロくて、怖くて、何も、返せなくなっていた。

 「お客様?」

 「はい」

 「このスマホ、きれいでしょう?」

 女性が、ショーウィンドウの1つを、指した。

 「今度は、スナガが、おすすめですよ?」

 「スナガ?」

 …それも、講師仲間の名前だぞ?

 汗が、首筋を流れた。

 「ああ、また…」

 「はい?」

 「お客様は、緊張、しているんですよね?」

 女性が、彼の手を、握った。

 「あの…」

 「お客様?恥ずかしがらなくて、良いんですよ?」

 「…ああ」

 「私を、お望みなんでしょう?」

 「…」

 「あら、あら。否定、されないのですね?」

 スル、スル、スル…。

 女性に、背広を、脱がされてしまった。

 「お客様って、かわいいんですね」

 「は、はあ…」

 「そして、元気なんですね…」

 「あ、やめてくれ!」

 「お客様は、若いんですね…」

 「ああ、何を?」

 「うふ」

 「ああああ」

 「あら、勇者様なのかしら?」

 「…」

 「私と、一緒になりましょうね?」

 「はい?」

 「結婚は、されていますか?」

 「あ…結婚!」

結婚して、特に、育児に苦労させられていた仲間がいた。それが、スナガ。育児の、こんな闇世界に、堕とされていた。

 「道徳心のない、バーチャル世界」

 子どもを預ける保育施設探しは、難ゲーだった。

 「うちの子を、預かってください」

 30を超える保育園、幼稚園に、応募していた。

 が、全滅。

 社会では、こう言われていたのに。

 「男性も、積極的に、育児参加をしましょう!」

 それも、トリックか!

 「うちの子を…」

 「申し訳、ございません」

 「え?」

 「入園、できないんですよ」

 「なぜだ?少子化社会なのに…」

 エロいなあ。





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