第3話 野球好きな人!「星野君の二塁打」の話を、知っていますか?たとえば、非正規なんて、勘違いの働き方。黒ひげゲームも、勘違いだ。

 黒ひげゲームの、勘違い。

 こう思っている人が、多いかも。

 「ナイフを刺して、黒ひげを、ビヨーンと上に飛び出させてはならないゲーム」

 それ、違うから!

 また、あごをさすっていた。

 「社会が変われば、感覚も、変わる。元々は、ナイフを刺して黒ひげをビヨーンと上に飛び出させたら勝ちっていう、ゲーム。黒ひげが縄に巻かれて捕らえられていて、ナイフでその縄を切って、助けるんだからな。それが、TV番組なんかの罰ゲームで使われ出して、黒ひげを飛び出させたほうが負けだと、思われてしまったんだよな。エッチなもんだな」

 こういうときには、余計なことを、思い出してしまう。

 ツバキの、悪いくせ?

 「ひげ…。やっぱり、ヨシユキを、思い出す。…ヨシユキも、契約が切れて、クビに、なっちゃうのか?僧侶のように信心深そうで、問題なしと思ったのにな」

 高校生たち生徒は、いつまででも、楽しそうだった。

 「今どきの若い先生って、がんばり部を出てない人、多くないか?」

 「ああ。大学院のことだな?」

 「それでも、学校の先生なんだよな?」

 「ああ」

 「コームイン、なんだよな?」

 「変態だな」

 「エロいよな」

「ツバキ先生は、大学院、出ているのに」

 「ああ…。ククルスドアンの店に、いってみたいよなあ」

 「結局、その話か」

 「詰んだ」

 「終局、勝った!」

 ツバキは、板書を終えて、ため息をついていた。

 「非正規労働者にとっての、最後の授業が、これなのか?生徒たちに、あれを、読ませてあげたかったなあ」

 それが、これ。

 知っていますか?

 「星野君の二塁打」

 1947年原作の、児童小説。

 元は、雑誌に載った話。

 ある野球大会で、打席に立った星野君は、監督に、送りバントのサインを受ける。が、星野君は、納得できず。

 「僕には、打てる気がする。バントなんて、いやだ!」

 なんと、星野君は…。





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