31 返品そして交換

宿屋ミネインゼロに戻ったコウとボウ。



「俺は武器屋に行って新しい剣を見てくる」


「行ってらっしゃい。

僕はお風呂に入ってくるよ」


「わかった」



リグールとの討伐を終えた2人はそれぞれの

行きたい場所に向かうのだった。











武器屋に来たコウはボロい扉を開けた。



「いらっしゃ……って貴方この前の……」



店に入ったコウを出迎えたのは

路地裏でからまれているところを助けた少女だった。



「あぁ、昨日振りだな」


「何か用なの? この前武器は買ったでしょ?」


「その武器が使えなくなったから

新しいものを買いに来たんだよ」


「えっ? どういうこと?」



コウの言葉が分からず、首を傾げる少女へ

コウは腰にぶら下げていた剣を見せた。



「……これだよ、半分に折れたんだ」


「これは……昨日から思ってたんだけど、

貴方、何者なの?」


「何者とは?」



少女テテの質問の意図が分からず

そう問い返したコウへテテは、



「だから……この前私を助けてくれた時の

実力や剣を折るレベルの筋力って只者じゃないでしょ」


「……そ、そんなことは無いぞ?」



コウは斜め上を向きながらそう答えるのだった。

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