30 リグール討伐隊(3)

「それが……」



そう言いながら部下はある方向を指さした。


その方向には他の部下たちが

集まっているのが見える。



「……あそこに居るんだな。

それにしても……戦闘はしていないのか?」


「そ、そのことなんですが……」



もじもじとそう告げる部下を無視し、

エミリは部下たちの集まる場所へと向かった。



「……これは!」



エミリが部下たちをかき分け、覗き込むと

そこにはすでに息絶えているリグールの姿があった。



「……他の魔物にやられたのか?」


「いえ……そうではないようです」



エミリの言葉に近くの部下がそう答えた。


そして部下はリグールの背中を指さした。



「……これは、剣か?」


「はい、どうやら何者かがリグールを

討伐したようですね」


「まさか!? 騎士団が部隊を派遣して

討伐するリグールを1人で倒したのか!?」


「1人かは分かりませんが、

騎士団以外の誰かが討伐したようですね」


「なるのどな……そんな強い奴なら

是非とも私の部隊に入ってい欲しいものだな」



エミリはそう呟くと、

部下たちと共にリグールを縛り始めるのだった。


その後、ガウスたちは無事デスリードラビットを討伐し、

リグールとの戦いの場から少し離れた所に居た

コウとボウはガウスと合流し、

宿屋に戻るのだった。

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