第3話 ようこそ調査と対策のダンジョンへ

翌日私は頭を抱えていた。

この髑髏町ダンジョンは問題点が多すぎて、正直何から手を付けていいかわからない。

そこで私はバイトを始めた。

もうダンジョンを再興することはあきらめ、ダブルワークで少しでも早く元の世界に……というのは冗談だ。

とにかく今の私には、ダンジョンの知識が全くない。

本来はお客さんとして他のダンジョンを攻略し、見て回るのが王道なのだが、あいにく私にはそういった力はない。

そこへ近所にある大型ダンジョン【シェンツァ】で、バイトを募集しているという噂を聞きつけた。

この時期はどうやら繁忙期らしく、約1週間清掃員として短期バイトに応募したのだ。

競合調査も兼ねているため、疑われないか心配だったが、あっけないほど簡単に採用してもらった。

バイト初日に社員からオリエンテーションを受け、全5階層すべてを見て回った。

私は必死に髑髏町ダンジョンへ活かせる点がないかメモを取っていった。

それにしてもすごくきれいだ。

ダンジョンと言うと薄暗い洞窟を進んでいく探検のようなイメージを持っていたが、ここは全く違い、テーマがはっきりしている。


このダンジョンは近未来の科学都市がテーマとなっており、各階層がそのテーマに合った内装や構成となっていた。

そして一番驚いたのが、ストーリーに沿ってダンジョンを攻略して行くという点だ。

科学都市に迷い込んだ冒険者一行は、ダンジョンに隠された謎を解きながら攻略を目指していく。

そしてラスボスを倒すと実際に賞金がもらえるそうだ。

ただ単に攻略を目指していくのではなく、攻略することに意味を持たせて冒険者たちを楽しませようとしていた。

アリサちゃんから初めに受けた説明の中に、『この世界のダンジョンは一種のテーマパーク』と言っていた意味が分かった気がした。

そして、途中でアイテムの販売店や出口にはお土産売り場など、元の世界の某ネズミの国を彷彿とさせる作りになっており、単に探索料と冒険者が落としたアイテム回収以外のマネタイズもしっかりしていた。

そして集客もきちんと行っており、わくわくするようなCMや看板、ダンジョンのテーマソング、オリジナルキャラクター、キャスト動画、HPなどどれをとってもうまいと思ってしまう内容だった。


バイト初日が終わり控室で支度を済ませ帰ろうとすると、私は声をかけられた。

私に声をかけてきた少女は、耳が長くかなり整った顔をしていた。生れて始めて見るエルフに、私は驚いた。

「あの、はじめまして。私カーラ=ロンジェヴィタと言います。あなたもアルバイトの方ですよね?」

「はい、そうです。私は立花といいます。あなたもアルバイトですか?」

彼女は微笑んだ。

「はい。私も今日からアルバイトなので一緒です。これからよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしくお願いします。それにしてもこのダンジョンは大きくて、すごくきれいですよね。ストーリーに沿って進めていくのも新鮮ですし、テーマパークっていう感じですよね」

「そうなんです!私、実家が遠くにあって、本当に田舎なんですけど、どうしてもダンジョンで働いてみたくてこの町に出てきたんです。立花さんもダンジョン志望ですか?」

ダンジョン志望という言葉がよくわからないが、彼女のキラキラした瞳にはダンジョンで働きたいという思いが見て取れた。

そんな彼女を前に、競合調査ですとは言えず、「まあ、そんなところです」とごまかした。

「そうなんですね!私も昔からダンジョンの階層ボスになりたくて。でもやっぱり人気のダンジョンはモンスターの倍率も高くてダメだったんですけど、清掃員の仕事なら空いているということで働き始めました」

この世界ではダンジョンで働くというのは一つの夢であるようだ。

確かに私の周りでも某ネズミの国で働きたいと言ってバイトをしていた友人がいた。

どの世界でも、こういったテーマパークはあこがれの的なのだろう。


私たちが話していると、長身の男性が横を通り過ぎた。

カーラちゃんはその男性を横目で見ると、突然その人の元へと駆け寄った。

「あの!シェンツァ四天王のイージスさんですよね?」

男性はカーラちゃんのほうを向き、にこやかに話し始めた。

「そうだよ。君は確か、今日からアルバイトを始めた……」

「カーラ=ロンジェヴィタです。覚えていてくださったんですね!感激です!」

私は手元にあったシェンツァのパンフレットを開いた。

そこには、彼をはじめ各階層ボスの写真とデフォルメされたキャラクターが載っており、軽い解説が書いてある。

彼は、このシェンツァ第4階層のボス、イージスというそうだ、整った顔立ちにすらっと背も高く、女性人気が高そうな容姿をしている。


「あの……サインください!」

カーラちゃんがそういうと、イージスさんは笑顔でそれをOK し、一緒に写真も撮っていた。

というか私が撮らされた。

そこへ、3人組の男性が通りかかった。

その中の、くせっ毛で太い黒縁眼鏡をかけた男性が声をかけてきた。

「イージス何やってんの?」

カーラちゃんは声のする方を向くと、さらに興奮した様子で、

「あ!ブリッツさんだ!」と言った。

私は再び手元のパンフレットに目をやった。

ブリッツさんと呼ばれた彼もまたこのシェンツァ第2階層のボスの様だ。

少しチャラそうな印象を受ける。

そしてブリッツさんの隣には、第1階層のボスバスターさんと第3階層のボスデュエルさんがいた。

バスターさんはかなり筋肉質でちょっと悪そうな印象。そして、デュエルさんはイージスさんに引けを取らず男前でクールな印象だった。

彼らシェンツァ四天王は、パンフレットを見る限りかなり人気なようで、アイドル的な活動をしているそうだ。

強いだけでじゃないをコンセプトに、写真集や曲も出しているそうだ。

カーラちゃんもおそらく彼らのファンなのだろう。

先ほどからかわるがわる、サインをねだり一緒に写真を撮っている。


なんだろうか、この乙女ゲームにモブとして参加してしまったような気分は。早く帰りたい。

するとそんな私を見たブリッツさんが声をかけてきた。

「ねえねえ、そこのモブ……モブっち!君も今日からアルバイト始めたんだよね?」

確かに私はモブ顔で内面もモブだが、改めて言われると若干腹が立つ。そして、モブっちというあだ名にはより腹が立った。

私は社会人として軽く微笑み、「そうです。短い間ですがよろしくお願いします」といってお辞儀した。

「結構歳いってそうなのにバイトって大変だね!ガンバ!」

内心、今すぐこいつの眼鏡が叩き割れるほどぶん殴ってやりたいと思ったが、あくまで競合調査である。

そして私はまだ20代だ。大人として彼の言葉を許そうと思った。太ももを強くつねりながら。

そんなやり取りを見たイージスさんがフォローを入れてくれた。

「おいブリッツ!そんなこと言ったら失礼だろ。……すみません。こいつも悪気があったわけじゃないんです。許してやってください」

イージスさんは心までイケメンで完全に負けた気がした。

「いえ、気になさらないでください」私はそう言って笑顔を作った。

「そういえば、第5階層のラスボスの方はいったいどんな方なんですか?」

パンフレットにも載っておらず、まったく情報がないため私は尋ねた。


四天王は急に表情が固まり、重い空気が流れた。

カーラちゃんも彼らの雰囲気に驚いた様子である。

すると、イージスさんが沈黙を破った。

「ええと、あの方は今このダンジョンにはいません。だいぶ前になりますが、上層部から別の仕事を依頼されたそうで、このダンジョンを留守にしているんです」

一体どういうことだ?私は不思議そうな顔をした。

ブリッツさんが話し始めた。

「まあ、あの方が留守にされて以来ドラゴン兄さんが第5階層を守ってくれてるんで、問題ないんすけどね」

「そうなんですね……」

なんだかあまり聞いてはいけない事だったようだ。

再び沈黙が流れ、私たちは彼らと別れた。


ダンジョンの外に出ると、カーラちゃんは優しく微笑んだ。

「今日はお疲れ様でした。明日からもよろしくお願いしますね!」

「こちらこそ、明日からもよろしくね」

そういって私たちも別れ、ダンジョンを後にした。


翌日からのバイトもすごく楽しかった。

バイトをするのは学生のころ以来だったし、働いているキャストたちもみな仲が良く和気あいあいとしていた。

そして何よりこのダンジョンの理念である、【最高の冒険をお客様へ】というスローガンの元、バイトも社員も全キャストが自分で考えながら、来てくれた冒険者たちを楽しませようと切磋琢磨している姿が本当に素敵だと思った。

バイト期間の1週間は忙しかったが、またここで働きたいと思える内容だった。

私はバイト最終日、カーラちゃんと食事に行った。

ある目的があったからだ。


「今日でバイトも終わっちゃったね……」

「本当に楽しかったですね!やっぱりダンジョンで働きたいと改めて思いました!」

彼女は満足そうな表情を見せた。

そんな彼女を横目に私は本題を切り出した。

「カーラちゃんは次の仕事決まってたりするの?」

彼女は少しうつむきながら答えた。

「うーん……実はまだ決まっていなくて。本当は小さくてもいいからダンジョンで働きたいんですけど、なかなか募集がなくって」

「……あのさ、よかったらうちのダンジョンで働いてみない?」

彼女は驚いた顔をした。

「え?それってどういうことですか?」

「実はさ、僕はこの世界の人間じゃないんだ。急に召喚されたのが、この近くの小さなダンジョンなんだけど、そこを何とか再興させないといけないんだよ。万年人手不足みたいなところなんだけど、よかったら一緒に働いてくれないかな?」

彼女は口を両手で覆い、目を見開きびっくりした表情を見せた。

「あ、あの!私でよかったら働かせてください!」

「よかった。これからもよろしくね」

私が笑顔を彼女に向けると、彼女は満面の笑みになり、「はい!」と言ったのだった。


彼女と別れてから髑髏町ダンジョンへ戻り、私はスカルさんにカーラちゃんの件と大型ダンジョン【シェンツァ】の報告をした。

スカルさんは従業員が増えることに喜んだ様子で、明日にでも面接がしたいとの事だった。


そして翌日、カーラちゃんを髑髏町ダンジョンへ呼び出し、軽い面接と実技試験を行った。

彼女の武器は弓で、腕前はなかなかのものだった。

私はスカルさんと話し合い、彼女はめでたく本採用となり、ひとまず第1階層へ配属となった。


私はその後自室へ戻り、現状の課題を洗い出した。

加えて、監視カメラの映像をもとに、このダンジョンの弱点を分析し始めた。

途中から見ているのもつらくなるほど、冒険者たちは楽々と攻略を進めていく。

あの強そうな赤鬼さんまで簡単にやられているのだ。

これは何か根本的な原因があると、必死に分析しはじめ1週間がたったころ、私は各階層の課題とこのダンジョン自体の課題をなんとか洗い出せたのだった。


翌日、私はこのダンジョンの弱点と改善策を提案すべく、スカルさんの元を訪ねた。

社長室の扉をノックし中に入ると、スカルさんはデスクに腰かけ帳簿をつけていた。

私が入ってくるのを見ると、スカルさんは帳簿を閉じ、私と来客用の椅子にテーブルを挟む形で座った。


私は持ってきた資料をスカルさんに渡し、話を始めた。

「スカルさん、今日はこのダンジョンを再興するためのご提案があります」

「わかりました。よろしくお願いします」

スカルさんはまじめな表情で私のほうを見た。

「まず初めに、このダンジョンにはあるものが欠けています」

「あるもの、ですか?」

「はい。先日のシェンツァ調査の際もそうですし、ネットで様々なダンジョンを調査しましたが、このダンジョンにはコンセプト、つまりテーマがありません」

スカルさんは驚いた表情をした。

「他のダンジョンは、コンセプトの上でダンジョン内の内装やモンスター、階層ボスなどを揃えています。ですので統一感があり、今風なテーマパークとしてのダンジョンになっています。そこで、このダンジョンにもそういったコンセプトが必要と考えます」

「なるほど……しかし、髑髏町ダンジョンには内装を整える予算も、新たにモンスターを雇う予算もありません。そこはどうするつもりですか?」

「予算をかけてシェンツァのようなハイコンセプトのダンジョンを新たに作ったところで、正直勝ち目はありません。あそこは、ハイコンセプトに合わせられるだけの資金も人材もありますし、イメージ戦略なども完璧です。だからこそ、逆転の発想で攻めていくのがベストだと思います」

今の髑髏町ダンジョンの現状は、某ネズミの国の近くに、昔ながらの遊園地があるようなものだ。

その小さな遊園地が、急に夢の世界を謳い始めても結果は望めないだろう。

「そこで、私が提案するコンセプトはこちらです。【クリアが難しすぎるダンジョン】です」

「……それは難攻不落ということですか?」

「まあ、端的に言えばそうですが、わざわざそれを言い換えているところがミソになります。このダンジョンのターゲットを血気盛んな若者に絞ります。彼らには難攻不落のダンジョンを制覇したという言葉よりも、クリアが難しすぎるダンジョンを制覇したという言葉のほうが刺さるはずです。そして、若者は無茶をしたがるものです。俺が一番強いとか、こんなことできる俺すごいとか、みんなよく考えていましたよね?その自己顕示欲を刺激する作りにしていきたいんです。つまり、このダンジョンにしかできない攻略難易度の高いダンジョンを作りたいんです」

これには元の世界での成功例がある。

某富士山のふもとにある遊園地だ。そこは絶叫マシンに特化させたことで、一定層の顧客を確保している。

それをこの世界のダンジョンの状況に照らし合わせて応用したのが今回の計画だ。


スカルさんは顎に手を当て何度かうなずいた。

「なるほど。しかし現実問題、今の髑髏町ダンジョンは攻略難易度が低いです。確かにみんな実力はありますが、どうしてかすごく簡単に攻略されてしまうんです」

私はこの質問に対しての答えを、ダンジョン内の映像からすでに見つけ出していた。

「これをご覧ください」私はそう言って、スカルさんにダンジョン内の映像を見せた。

「このダンジョンは適材不適所です。要は、コンビネーションと地の利を全く活かせていないんです。これを適材適所に配置換えすることが、再興へのカギになります」

スカルさんは驚いた表情をした。やはり気が付いていなかったようだ。


「そして、配置換えに伴い、各階層をコンセプトに合わせて内装を変えます。入り口の看板もこの機会に変えましょう」

「それはいいのですが、内装を変える費用も髑髏町ダンジョンにはありません。それはいったいどうするのですか?」

「そこは経費を抑えるため従業員総出で作業していきます。材料費に関しては、私がシェンツァでのバイト代などで工面します」

先日のバイトはそこそこ稼げたのだ。内装や看板を書き換える材料代には十分なほどだった。

正直手放すのは惜しかったが、背に腹は変えられない。これも早く元の世界に帰るためだと諦めることにした。

スカルさんは私の言葉を聞き慌てた様子だった。

「それはいけません!こうしてダンジョン再興に向けた解決策を考えていただいた上に、お金まで出してもらうわけにはいきません」

「大丈夫です。それにこれは、めぐりめぐって私が早く帰るための投資のようなものですから、気にしないでください」

そう言って私が微笑むと、スカルさんは頭を下げた。

「話を戻しますが、来週から1週間は休園にして、全員で準備を進めましょう。変更点は私が準備してまとめておきますので、人の割り振りはスカルさんにお願いします。私よりもみんなの事に詳しいですからね」

「わかりました。それくらいはさせてください」

スカルさんの表情が少し柔らかくなった。


「そして、コンセプトと配置換えを行った後に今度はどうやって冒険者を集めるのか、つまり集客をどうするか?なのですが、ここも一通り考えてきてあります。こちらをご覧ください」

そう言って私は集客方針の書かれた用紙をスカルさんに手渡した。

スカルさんはその用紙を見てかなり驚いている。

そして私のほうを見て、「CMとSNSですか……」と言った。

この世界にもSNSや動画投稿サイトなどが存在し、若者を中心にかなりの割合で普及しているのだ。

シェンツァでもそうだったが、この世界でも元の世界と同様、ネットやSNSでの集客がかなり有効なようだった。

その証明として、田舎に住んでいたカーラちゃんですら、行ったこともないダンジョンの階層ボスをすべて把握している。

これをうまく使わない手はない。

「そうです。ここで、【クリアが難しすぎるダンジョン】というコンセプトを、ターゲットである若者に響くようなCMを作り、SNSや動画投稿サイトへアップして知名度を上げていきます。すぐに効果は出ないかもしれませんが、必ずプラスになります」

スカルさんは大きくうなずいた。


「あとは何かこのダンジョンに目を引くようなお宝があればいいのですが……」

このダンジョンを再興させるために必要なピースはまだある。その一つが、目玉だ。

単に【クリアが難しすぎるダンジョン】という言葉だけでは、まだインパクトが足りない。

そこで、賞金でもお宝でも何でもいいのだが、見た若者があっと驚くような目玉が欲しいのだ。

スカルさんは少し沈黙した後、ふーと息を吐き立ち上がった。

そして社長室の奥にかかっている【髑髏町ダンジョン】と書かれた掛け軸を外し、奥から大きな剣を取り出した。

私の元に来ると、その剣を差し出した。


「これは、かの勇者フェデルタが魔王討伐の際に使った宝剣シュテルクストの剣です。この剣は正義の心を持ったものが手にしすると、どんな敵にも負けない力を得ると言われております。本当は博物館に所蔵されてもおかしくないほど有名で希少価値の高い剣なのですが……これを目玉に使いましょう」

その剣は私が見てもすごさがわかるほど光り輝いていた。

しかし、私を召還するときに質に流した【大勇者ああああの剣】といい、どうしてこの人はこんなにも勇者関連の剣を所蔵しているのだろうか?

「いいんですか?こんな高価なものを出していただいて……」

その剣のインパクトと謂れに私はしり込みしてしまった。

「いいんです。立花さんに、これほどまでしていただいたら、私も腹をくくります。これを出したらもうこのダンジョンには宝と呼べるものは何もありません。本当にこのダンジョンの存続を立花さんに委ねます。どうか、このダンジョンを救ってください」

私はスカルさんの覚悟を前に「精一杯やらせていただきます。よろしくお願いします」と深くお辞儀をした。


「最後になりますが、探索料とアイテム回収以外にもキャッシュポイントを増やしたいので、各階層の出口か入り口に回復アイテムなどの売店を作ります。シェンツァではアイテムの売店に加えて、キャラクターグッズやおみやげなどの売り場もありましたが、今それを作ってもあまり効果はないと思うので、まずは売店から始めましょう」

「それはいいアイデアですね。わかりました。地域の商店に回復薬を安く仕入れられないか掛け合ってみます」

「よろしくお願いします。そして、これを発表する場を設けたいので、今週末営業時間後に1時間だけみんなを集めてミーティングをしたいので、集めていただいてもいいですか?」

「わかりました。今週末に集まるよう連絡しておきます」

スカルさんは快く了承してくれた。


「しかし、あなたはいったい何者なのですか?ここまで分析と対策をこの短期間で出してこれるなんて……」

「ただの会社員ですよ。小さい会社なので、いろいろやってきただけです」

そう言って私は微笑んだ。


「これから大変ですが、一緒に頑張りましょう」

「はい。このダンジョンの事をよろしくお願いいたします」

そう言って私とスカルさんは固い握手を結んだのであった。

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