第205話 首都マイノカ

 使節団との交流はセオルたち人間に任せ、奴隷として連れてきた女の世話をセオルの嫁とギギたち巫女に任せた。


 あちらの大陸では奴隷当たり前のようで、売買が普通に行われているとか。


 前世の価値観がまだ残っているので奴隷には抵抗があるが、人間の嫁問題は深刻だ。


 正解な数はわからないが、見ただけでも男六対女四の比率だ。


 ただ、若い女はかなり少ない。なのに働き盛りの男はたくさんいる。女を巡ってのケンカも一向に減らないとか。暴動が起きないのはオレが番(童貞)がいないからだ。


 オレはプラトニックラブなタイプだから子を産んでくれる番がいなくても構わないが、人間の男たちには効果がある。


 オレも番がいないんだたから自分たちに嫁がいないことを強く言えないという心理が働くそうだ。


 なんじゃそりゃ? とは思うが、男たちはそう自分を慰めているんだろさ。


 だからと言って嫁問題をそのままにはしておけない。すべての男に嫁を、とまではいかなくとも解決している姿勢は見せなくてはならない。無能な統治者に民はついてこないからな。


 ゼル王の名の下に奴隷の女を買ってくるようレニーラに頼んでいたのだ。まさか船団を連れて帰ってくるとは思わなかったがな。


「しかし、よくこれだけの数の女がいたな?」


 使節団との交流はセオルたち人間に任せ、奴隷として連れてきた女の世話をセオルの嫁とギギたち巫女に任せた。


 あちらの大陸では奴隷当たり前のようで、売買が普通に行われているとか。


 前世の価値観がまだ残っているので奴隷には抵抗があるが、人間の嫁問題は深刻だ。


 正解な数はわからないが、見ただけでも男六対女四の比率だ。


 ただ、若い女はかなり少ない。なのに働き盛りの男はたくさんいる。女を巡ってのケンカも一向に減らないとか。暴動が起きないのはオレが番(童貞)がいないからだ。


 オレはプラトニックラブなタイプだから子を産んでくれる番がいなくても構わないが、人間の男たちには効果がある。


 オレも番がいないんだたから自分たちに嫁がいないことを強く言えないという心理が働くそうだ。


 なんじゃそりゃ? とは思うが、男たちはそう自分を慰めているんだろさ。


 だからと言って嫁問題をそのままにはしておけない。すべての男に嫁を、とまではいかなくとも解決している姿勢は見せなくてはならない。無能な統治者に民はついてこないからな。


 ゼル王の名の下に奴隷の女を買ってくるようレニーラに頼んでいたのだ。まさか船団を連れて帰ってくるとは思わなかったがな。


「しかし、よくこれだけの数の女がいたな?」


 二百人とか、町一つ滅ぶなにかがあったのか?


「あちらではよくあること。これでも厳選したほうだ」


 とのことだった。どうやらあちらは暗黒期のようだ。そりゃ、新天地を目指したくもなるわな。


「さて。どうやってくっつけるかな?」


「女たちも生き延びようと必死だ。男たちの世話をさせたらすぐにくっつくよ」


 この時代、そんなものなのか?


 と思ってたら数日後にはカップルが乱立していた。男も女も肉食系か? オレより獣じゃん!


 ま、まあ、苦労もせず男女が結ばれたなら構わないか。来年はベビーラッシュだな。


「レオガルド様!」


 なんだかな~とカップルたちを見守っていたらマイノカから伝令がきた。


「準備、調いましたのでいつでも使節団を連れてきても構わないそうです」


「わかった。数日後に出発するとゼル王に伝えてくれ」


 予定通りとはいかないのがこの大陸なので、大まかな連絡と計画になってしまうのだ。


 そのことをセオルに四日後にマイノカへ目指すことにした。


 マイノカへ目指すのは八十人。使節団の主要メンバーと学者、商人、軍人と、かなりの数になってしまった。


「食料、大丈夫か?」


 今のマイノカなら八十人くらい増えても賄えるだろうが、ゼルム族は肉を食わないので食料用の家畜は少ない。猪を捕まえてきて食料にするか?


「そう豪勢にする必要はないでしょう。航海でパンと水で乗り切る者たちですから。必要ならコルモアから運ばせます」


 今のコルモアは豊かだ。気候もよかったので備蓄もてきているし、オレが教えた調理法も広まってトンカツが生まれたくらい。


 嫁不足で暴動にならないのも美味いものが食えているからだ。


「そうだな。念のため、ミドロアに運ばせてるか」


 オレがいれば護衛など必要ないが、陸軍の訓練がてら食料を運ばせるか。


「嫁を持っているヤツを三十人くらい集めてくれ」


「わかりました。新婚にやらすたら恨まれますからね」


 冗談を言いながらすぐに人選を始め、四日で用意してくれた。


「これから約七日の道のりになります。使節団の方々をを歩かせるのは申し訳ありませんが、パラゲア大陸では道を整備することは至難です。この道もレオガルド様が何百何千回と往復してできました。ですが、一月も通らなければ道は緑に覆われてしまいます。皆様方。くれぐれも道から外れないでください。命の保証はできませんので」


 セオルからも聞いているだろうが、ギギの口からも伝えてもらう。今にも樹々の間に突入しそうなヤツが何人かいるからだ。


「銃士隊。よく見張っておけよ」


 連れてきた銃士隊にもよく言っておく。使節団が死なれたらレオノール国としても困るからな。


「では、出発します」


 先頭はレイギヌスの弾を持った銃士隊。次に陸軍。真ん中に使節団。続いてオレとギギ(巫女はコルモアに置いていきます)。最後尾にヤトアたちを配置した。


 道中はこれと言った問題はなく、使節団も大人しくしててくれた。


「レオガルド様。つけてくる者がいます」


 まだスパイがいたのかい。相当潜り込まれているな。


「そのまま放置しておけ。もし、無事辿り着けたら遊んでやれ」


 道を歩いただけでマイノカに辿り着けたら苦労はしない。まあ、ミドロア並みに優秀なら弟子たちのいい訓練相手になるだろうよ。


 使節団が無理しないよう進んだお陰で予定通り、七日目の夕方にマイノカに到着できた。


「よくがんばった。レオノール国首都、マイノカにようこそ」


 七日間がんばった使節団の労い、使節団をマイノカに迎え入れた。

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