二十想 親衛隊がたくさんいそーな名前してる
「おはよー!」
今が何時か知らないけど、
森衛所の前に来たから挨拶はしないと。
「こんにちは」
もちろん森衛所にいる子が時間によって挨拶を変えるはずがないよね。
師匠だって”おはよう”か”おやすみ”しかないし。
私だって似たようなもんだけどさ。
今返してくれた子はエンフィ…。
…種族の話はするべきだったな。
少なくとも森衛所にいる種族くらいは、
エンフィルのこと以外はあとで話すよ。
ごはんで頭がいっぱいになってたかも。
えーと、エンフィルは名前の感じから分かるようにエルフっぽい見た目の子。
髪の毛は緑色だし耳も別に長くないけど…。
あれ?エルフっぽいか?
そんなに似てないかもごめん。
森の中に住んでるくらいしか共通点ない。
似てるけど別の種族だし、種族名も似てはいるけど違うのかな。
神様に聞いてみないと。
森衛所の中はそんなに暗くない。
暗くないけど空は見えない。
ここ森衛所の中であっても無白どころか星だって見えない。
室内ってわけじゃなくて、
森の中と同じでたくさんの高い木が空を隠している。
木は切り倒さない。
切り倒してはいけないってルールがあるくらい。
そのルールも森は神聖だから~なんちゃららじゃなくて、
倒れたら危ないからって理由だし。
…光が通らないほど木が集まってるから当然だけど。
あ、今は師匠の家に向かってるよ。
案外広い村だけど迷うことはそんなにない。
初見だと迷いやすいようにしてあるみたいだけどね。
何度も来てるから平気。
さっきの続きでどうやって家を作るんだって言うと、
その高い木の枝や葉っぱを使ってる。
私も二回くらい手伝ったことがあるけど。
枝を落としたりそれを取る作業で限界だった、
その両方を一人でできるわけもないし、手伝ってもらって三本とか四本でギブした。
だって枝の太さが腕をわっかにした時くらいあるから、
持つだけでも割ときつい。
斧使っててよかった。
木の登り方も頭がおかしいとしか思えなくて、
指を引っ掛けてボルダリング。
専用のグローブとか靴下みたいなやつをつけてるけれど。
当然終われば手も足も荒れる。
まずできる時点で私すごくない?
流石にこれは自画自賛級。
でも私より小さい女の子が平然と枝取って地面に降ろしてをくりかえしてる。
しかもその子は木登りが楽になるようなこと何もやってないのにさ。
あの子はほんとすごい子だよ。
世代も系譜も私と同じだから、割と悔しかったのを覚えてる。
ちなみに年齢で言えば私より20歳年下だったり。
あ、今の子は私が連れ帰った子とは違う子。
あと師匠の登り方は創り出した石製の杭を木に打ち込むっていう。
木を大事にする気がないどころか嫌いなのかと思うくらいだけど。
師匠によるとほっておいても押し出されて落ちるか、
そのまま巻き込んで成長するから、気にしなくてもいいんだって。
木が強すぎる。
種族どころか個人単位で登り方が違うし取り方も違う。
まだ変な登り方取り方はあるけどこれくらいでやめておく。
登らずに取るようなのもいるからこれでも普通な方。
次にその取ってきた枝とかで家の建材を作るんだけど、
当然いくつか建材にも種類があって。
一つはテントの膜みたいなものや枝を磨いて床とか土台にしたやつとか、
あと糸とか釘を作れる種族がいたりして、
建材作りはできる人に任せる感じ。
私は土台用の枝しか触ってないけど、
それ以外は不器用すぎてできなかった。
私って力仕事しかできないんだよね。
それで家ができるんだけど、森衛所内の家は特殊で、
全部地面から離れていて、木に沿って建てる。
いわゆる、ツリーハウスが森衛所の家。
理由もちゃんとあるみたいだけど。
森に寄り添うとかやっぱりそういう理由じゃなくて。
こ
腕で円作ったのとおんなじくらい太さがある枝を持った木だもん、
しかも空の光を通さないほどそれが集まってるんだから。
人が住める家を作ったりしたらじゃまで家を跳び越えないといけなくなる。
3、4m跳べる人はあんまりいないし。
森衛所も広げ過ぎたら住民が迷ってしまう。
理由がいつ付けられたかはしらないけど、
ちゃんとした理由があったり。
うーん、もうちょっと森衛所関連の話をしたいな。
あ、そうだ。
師匠の話をちょっとして、
着くまでの時間稼g、じゃなくて予習と復習をしよう。
まず師匠はロウレストの中で重要な役割を持っている。
その役割が初めて会ったとき首を切られた理由で、ロウレストの大事なルール。
だけど今は言わない、このルールは先に説明すると面白くないからね。
スキルとかもたくさん持ってて、人を生き返らせることすらできる。
私には意味がなかったけど。
あと私みたいにリスポーンしたりできるからいろいろやばい。
弱点もほぼないんだよなぁ。
んで、その師匠の奥さんは森衛所の村長で神様とヒミア様の子どもの人間、
つまり精霊系。
種族は…シレンターってやつだったかな。
木を自由に伸ばしたりできて強いし、建築の時も役立てていた。
だけど、外見がジルママほどではないにしても幼女だし、
自分の足で動くことがない。
ほぼじゃなくて本当にない、少なくとも私は見たことがない
それでも移動はできる。
だって木に任せているから。
奥さんにとっては息を吐くよりも簡単だとか。
どれだけ息吐くの苦手なんだろう。
本人曰く”
吐く方が苦手ってこと。
変な口調だなと思ったでしょ。
これ奥さんの素の口調なんだよ。
癖強くない?って思ったでしょ。
うん、私も思った。
”なよ”って何?
そんで師匠の家は、師匠と奥さんとさっき話した速い子の家庭で、
森衛所の中で一番大きい家に住んでるね。
師匠と奥さんが作ってるからでかい家になるんだろうね。
生きた木で作られてるから森衛所の中で一番エルフとか妖精の家っぽいのに…、
サイズ感のせいで、ね…。
その師匠たちの子どもの名前が、【ロダー】って言う。
性別が分かりにくい名前だけど女の子。
身長は師匠の奥さんよりちょっと高い程度なんだけど。
性格は真逆ですごく元気。
私のことを”ロヴィス”って呼んでくる。
髪の色はこげ茶、なんとなく性格に合ってるね。
種族の名前も同じでロダーになってる。
今のところ一人しかいない種族だからだって。
異常系はこういうことざらにあるんだよねぇ。
種族の能力は母親と似て、木から枝を伸ばしたりできるってもの。
でも師匠の奥さんと比べたら全然伸びない。
だいたいロダー二人分くらいが限界。
だけどその伸ばした枝は触れていれば切り落とすことができる。
それを使って武器にしたり材料にしたり。
ロダーの母親とは別の使い道がある。
多分この能力は師匠のスキルからきてるんだと思う。
両親の能力を引き継ぐって割とあることらしいよ。
私たちはそんなのないけどね。
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