六想 真面目な人にはインタビューってしにくそう
「グググ、シューー」
立てない。
腰が痛いし。
力も入らないし。
首とかお腹とか痛いし。
激しかった。
コリレのどこにあんな体力が。
昨日も今日もやってたよね。
私二回は攻めだったけど。
二回やったら流石に疲れる。
もしかしてコリレって自分の思うタイミングで寝れたりする?
私知らないんだけど。
100年以上一緒にいて知らないことある?
なんで私気付かなかった?
…いつも余韻がすごくて考えられ無かっただけか。
とりあえず立てるようになったら聞きに行こう。
ほかにも聞きたいことあるし。
立てるようになるまで余韻に浸っておく。
いつもコリレのネジが外れるとこうなる。
ネジが締まってるときはかわいいくて真面目な日本オタクなんだけどね。
それに私が居ないとネジが締まらないから絶対に暴走する。
私もコリレを感じられるから好きなんだけどね。
感じたから今起きれはしても立てないから動けないっていう。
月並みな言葉だけどいっつも声も身体も全部使って、
どろどろに溶かされてる。
混ぜられてる。
でも今日はかなり抑えてるみたい。
いつもは終わった後コリレのことしか考えられなくなるから。
考え事ができるってことはいつもより本気じゃないってこと。
これ溜まってたら怖いなぁ。
私は体力あるつもりでもこうなってるし。
一日に複数回したら私壊れるかもしれない。
壊れればいっか。
困ることなんてないし。
いやあるわ。
職失うわ。
…壊れたら一日早めに連絡してもらうようにしよ。
今でも本業があった後の数日は仕事があっても無くしてもらってるけど。
またわがまま言おっか。
私とコリレのためだから許してくれるでしょ。
ちなみに日、月、年にあたる言葉があるけど、
ほぼ私は使ってないからまだ話さなくていいよね。
あ、立てるようになった。
壁伝いじゃないとまだ歩けないけど。
やっと動ける。
たぶんコリレはダイニングにいると思う。
さっきのご飯片付けてなかったし。
「コリレ、今何時?」
「25時ですよ、よくお休みになられていましたね」
え、そんなに寝てたの。
というか眠らせたのコリレじゃん。
もはや気絶させられたって言ってもいいんじゃない?
「コリレはなんでそんなに元気なの…?」
「マスターを愛しているためです」
確かに愛されたけど。
返答にはなってなくない?
「しょい、答えだいぶずれてない?」
座っとこう。
まあまあしんどい。
「ふむう、ご満足頂けませんでしたか」
いや十分です。
あとそれも返答としてはだいぶおかしいからね。
いつもより私が好きな気持ちはダイレクトに伝わってくるけどさ。
「またずれてるし、というかまだ足りないの?」
私死ぬよ?平気だけどさぁ。
100年くらいの経験上こういう時私死んでるし。
内容はあんまり、ぼんやりとしか覚えてないけど。
死ぬ日はコリレが攻めの日で、
だいたい私が帰ってきた次の日に死んでるからね。
今日は全部一致してる。
「足りているわけがございません、マスターを何度殺したかわからないほどではないでしょう?」
当然両手では足りないよね。
だけどこの話は一旦置いて。
コリレ以外が言ったらダメな言葉があるね。
「”わからないほどではないでしょう”は普通に煽りだから気を付けてね」
「誠でございますか。理解できますかの違う言い回しだと思いましたが違うのですね」
コリレは無感情なしゃべり方だからすごいわかりにくいけど、
その言葉の受ける感覚が負けた時の味方最強すぎませんかねと同じなんだよ。
理解できますかも大概煽りだと思うけど、辞めておかないとキリがない。
「うん、敬語は詳しくないからわかんないけどね、今度神様のとこで調べてくるよ」
高校生にもなってない時にこっち来たから敬語も全然覚えてない。
授業で習った気はするんだけど。
100年も前のことはあんまり覚えてない。
私の記憶容量ヤバい…?
メモっとこう。
理解できますか 敬語、っと。
すでに丁寧語ではある気がするけど気にしない。
どちらにせよ神様が言ったら手が出そうだけど。
あの人タイマンは弱いし。
殴りやすい。
やっと身体が楽になった。
今は…26時か。
さっきの"25時ですよ"って短針しか見てなかった?
それでもおかしいか。
うちにあるのはアナログ時計だし。
今26時になったんだから時間聞いた時からそんなに時間は経ってない、
なら25時よりも26時の方が短針は近かったはず。
答えきこ。
「コリレ、さっき25時って言ってたけどホントに25時だった?」
「…長針でした」
「あー、なら納得ありがと」
そうか短針だったらその時間は25時半って伝えてくれそうだし。
うーん分からなかった。
次は当てる。
ちょうどいいから時計の話をしよう。
短針は一日と同じ42時間分のめもりがある。
なぜ一日分であって半分の21時間でないのかというと。
簡単な理由で午前と午後の概念がないからだとさ。
神様が言ってた。
いずれ午前と午後ができたり。
一日を三回に分けたりするかもしれない、とも言ってた。
次に長針の話。
長針は1時間が60分だから、めもりも六十個ある。
四十二個のメモリの間に十八個の長針、秒針用のめもりがある。
一日の時間が六十の公約数じゃないせいで、
時計の長針用のメモリがバラバラになっているように見える。
ちゃんと時計として機能はしているけど。
時間のメモリに付いている数字は。
あの、普通の数字、ローマ数字じゃなくて。
普通のよくある数字。
なんていうんだっけ、ア、アビ…何だっけ。
覚えてないけど普通の数字、うん。
「コリレ、ローマ数字じゃない普通の数字ってなんていうんだっけ?」
「アラビア数字ですか」
「あー、うんそれそれ、ありがとうコリレ」
惜しい!
なぜか思い出せなかったな。
忘れてた。
「どういたしまして」
あとコリレに聞きたいことがある。
「コリレの性欲はどれくらいで収まるの?」
結局聞けてないから言い方を変えてみる。
「どれくらいとは何時間かということでしょうか」
多分コリレがこういうことを聞くのは私の声が聞きたいからなんだろう。
どういう返答が欲しいか分かってるはずだから。
つまり。
普通に身の危険を感じる。
次の食事の時間まで持たない、この感じは。
というかこの目線はそうゆう目線。
首とか胸とか腰とか腹とか。
「うん教えて」
この返答も時間稼ぎにしかならないのは分かる。
私の方もだいぶやばいけど。
多分私の疼きも伝わってるんだろうなあ。
「そうですね、最低でも3780時間程はないと私は満足できません」
えっと…?
よく分かんないけど一日とか一週間ぶっ通しでも無理っぽいのは分かった。
どうせ休めばその分溜まるし。
あくまでコリレが攻めで満足する時間であって。
私が攻めの時間は含まれてないだろうからね。
私達の終わらない一生をかけていてもきっと満たされないだろうけど。
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